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2020/1/21(うたの日366)

例文のすべてのポール、トム、メアリー、みんな、そのあとしあわせですか/真壁カナ 

(2018/1/13「例」)

中学校の英語の教科書の例文のキャラクターたちが思い浮かぶ。中学校の三年間の英語の時間には常に彼らがいたのに、そういえば彼らの生活のことを考えたことなどなかった。勿論その後の幸せのことなど思い描いたこともなかったし、そこにスポットを当てたことにいとしさがこみあげる。彼らは当時の自分たちと同じくらいの年齢設定であったはずで、自分たちと同じように何事もなく大人になった訳はなくそれぞれのドラマがあったはずなのだ。
その部分を自らと重ねて読めるけれども、テレビドラマのなかの子役がその後どうなったのかを思う感覚にも近しいものがある。
と、いうのも例文だからそういうものだとはいえ、見てわかるだろうに「これはペンですか?」とか「私はあなたを愛しています」というような今考えてみれば現実感がないセリフが多かった気がする。台本を読まされているような感じというか、彼らは教科書に載っていない部分では、もっと自由にお喋りしたり別の人生を生きていたのかもしれない。すごく優しい視点の歌だと思う。

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