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2020/3/29(うたの日366)
悲しみよ一週間に十日来てそれから先は二度と来ないで/静ジャック
(2018/5/6「一週間に十日来い」)
この日は無茶題でそれも「一週間に十日来い」というお題だったのだけれども、それに対するベストアンサーの短歌だと思う。というのも、「一週間に十日来い」ってなんやねん、一週間って何日で構成されてるんかわかっとるんか、って突っ込みができるので、歌自体も突っ込み待ちをする感じの(云ってしまえばちょっと天然ボケな)歌になってしまうと思う。
しかし、このお題はそういう突っ込み待ちの要素を持ちつつ、一週間は七日しかないから、悲しみが「一週間に十日」来ることはない。なので、悲しみが十日連続で来ることはないだろうけれど、それから先に三度も四度も、もっと来るだろう…と、いうことを詠んでいる。「悲しみよ」と呼びかけるような文体が切実で、そして呼びかけている側も「一週間に十日来る」ことは不可能だと解っているのだろうと思わせる。また、来ないと解ってはいるものの、それから味わうすべての悲しみを濃縮して十日間連続で味わうことに自分は耐えられるだろうか。そういう選択ができるだろうか、と想像してしまう。そういうことが起こらないと、解ってはいるのに。…このお題に出していなかったので、こういった分析じみたことができているけれど、このお題でこの発想はもちろんできない。すごい短歌だと思うし、かつ好きです。
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