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2020/2/28(うたの日366)
潔癖にRockとLockを言い分ける舌と私の舌とが交わる/がね
(2018/6/9「Rock」)
めちゃくちゃクオリティの高い歌だと思う。
まず「RとLの発音」ではなく「RockとLock」であるところや、「完璧に」ではなく「潔癖に」である言葉選びが上手い。(「Rock」というお題であるにせよ)既成概念を壊すようなイメージの「Rock」と保守的なイメージの湧く「Lock」と逆のものをぶつけていてその人物の二面性を既に暗示させている。「潔癖に」もかなり効いていて「完璧に」だとただの人物のイメージで終わってしまうと思う。「潔癖」じゃないと結句とここまで響かないだろう。語順もかなり巧みで、潔癖だった舌なのに実は「私」とこんなことをしている、という心地よい(人間のはかりしれない心のような)矛盾がある。
また、歌のなかに「きみ」や「あなた」は出てこず舌しか描写されないのも良い。互いに舌に神経を集中している感じも伝わるし、この景で「きみ」や「あなた」が出てくると、「このひとのこんな側面を自分だけが知っている…」みたいないやな陶酔感が出てきてしまうと思う。…かなり細かい部分まで作り込まれた歌だと思う。
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