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2020/3/20(うたの日366)
ゆっくりとお湯に浸って思い出し笑いしている花冷えの夜/衣未(みみ)
(2019/4/3「花冷え」)
「花冷え」は「桜の咲く頃の寒さ」のことで、「寒の戻り」ともいわれる。「花冷え」という言葉が元々とてもうつくしく、それと対応する「お湯に浸って思い出し笑いしている」描写と響き合っている。また、その比喩を使うとき主体自体が桜の花になっていて、そのこともいいなと思う。
と、云うのも桜が開きかければ、寒くなってもそのまま散ることはない。すごく嬉しいことが一度あれば、思い出し笑いは何度でもできる。それが一度冷え込んでも、すぐまた暖かくなることを予感させている。
桜の季節が4月ごろだとすると、湯舟をためずにシャワーで過ごす日も増えてくる。でも、敢えてちゃんと湯舟をはって浸かることで思い出せる事柄が増えることにも気づかされる。…楽しいことを思い出すことも季節のように、生きていく上で必要のことだと感じられる。
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