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2020/9/16(うたの日366)

月曜の憂鬱のごと段落は小さきへこみから始まりぬ/キール
(2020/6/22「月曜日」)

上手いなあ、と思う。「月曜日=憂鬱」という共通認識と段落を一段下げる行為が上手くはまっている。月曜日が憂鬱と感じはじめたのはいつからだったか思い出せない。いつからか反射的に憂鬱になっていた気がする。その「いつからか解らない」、この段落の仕組みも、どうして一段下げなければならないのかを理解する前から行なっていた。段落を一段下げるのは文章を書くに際しての決まり事なので、その通りに行うことできっちりした文章として成り立つ。一週間を一週間として成り立たせるため、「憂鬱」はセットなのだとも云える。下がらない段落はいつまでも章が切り換わらないし、明るすぎる月曜日は何かが起こりそうでちょっと怖い。
また、段落ががくっと下がって元の高さに戻るあの感じもいい。最初に下がることで、「頑張らないと…」と思ってぐっと元の高さに戻ったり、そんなに憂鬱でもないな、と解る感じと重ねて考えられる。ただのへこみではなく「小さき」へこみなのも細かいけれど、いいなと思う。

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