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2020/6/23(うたの日366)

とびうおが大気のほうへ飛ぶときの姿勢でつかめ死ぬまでの日々/藤 かづえ

(2019/7/29「姿」)

すごくかっこいい。最初から最後までどのフレーズで切ってもかっこいいと思う。「飛ぶ」ことに眼目を置いてもいいし、「死ぬまでの日々」に置いてもいい。前者は、ストレートに上向きで、挫けずに日々を過ごすことの比喩だと読める。後者も似たような読み方ができるのだけれど、とびうおは大気の方へ飛ぶときはヒレをはばたかせているのだけれど、それ自体は水中でもしている。…なので、云ってみればとびうおは四六時中、それえこそ「死ぬまで」はばたいているのだ。こっちであれば、「常に全力でいろ」という意味も付随してくるような気がする。どちらの読みもポジティブで方向性は近いのだけど、個人的には後者の方が好きだなと思う。自分が常に全力でいられてないこともあるのだが、とびうおという魚は飛ぶために特化しすぎて胃袋を進化の過程でなくしてしまったらしい。海に住んでいるはずなのに、そこまで飛ぶために特化しなくてはならなかったのか。…そんなひたむきさが、苦しくならないのかと思いつつもあこがれがある。好きな歌です。



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