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「フォト・ムジーク」を探して

前回のお話の続きです。この曲(「フォト・ムジーク」)の音源の話。

サブスクで聞こうとしたらサブスクには入ってない(検索してもひっかからない)。音源が入ってるCDはあるみたいだけれどプレミアがついてる。どこかちょうどいい形で手に入らないものか…?

そんなこをと思って、もうちょっと探してみたらこの曲の音源の情報が出てきました。なんと、あのNHKみんなの歌の歴史に残る名曲「コンピューターおばあちゃん」のEP(7インチレコード)のB面でした!(今までどんな曲がB面に入っているか気にしたことなかったので、全く気がつきませんでした…。)

さて、このレコード、たまたま、というかちょうど都合のいいことに、1年ほど前に再プレスされてたみたいで、若干お値段上乗せされてますが、なんとかまだ手に入りそう…。というわけで、ポチっと注文して入手しました。
(サブスク時代とはいえ、そこそこ年季の入ったレコード好きなので、気になったものを見つけたら割りとあっさり買います)


ネットで見つけて注文してから3日くらいしてからレコードの現物が手元に届きまして、封を開けてから早速(まずはB面の「フォト・ムジーク」から)聴いてみました。

レコードで聴くとprophet5の音がどことなく生々しく感じられてよかったです。そして続けてA面の「コンピューターおばあちゃん」も聴きました。知っている曲ですが、改めて通して聴くとどことなくアレンジが矢野顕子さんの「春咲小紅」に似てるなと思いつつ…。リアルタイム世代ではないので懐かしいという感覚はないのですが、単純に現代とはテイスト違うネアカなノリが楽しい曲です。

で、ひととおりレコードを聴いてひとつ疑問に思ったのですが…。

このレコード、当時は子供が「コンピューターおばあちゃん」をもっと聴きたいと思って親にねだって買ってもらったりしたんだろうと思うんですが、いっしょについてきたこのB面の「フォト・ムジーク」を聴いてどう思ってたんでしょうね…?。

B面も気に入ってこっちも聴いていたのか?それともB面は無視してA面ばかり聴いていたのか?これを調べようとすると、当時発売されていたものを中古で購入し、ノイズの乗り具合でどれだけ聴かれていたか推測することも出来なくはないんですが、もしかしたら中古で見つけるのはそこそこ難しいかもしれません(気にはなりますが)。

あくまで想像ですが、このレコードを買った当時子供だった方は、音楽の”時限爆弾”を仕掛けられたんじゃないか?そんなことを考えたりしています。”時限爆弾”はもちろん比喩でして、要は幼児のころに何気なく聴いていたシンセの音が記憶に残っていて、中学生くらいになったときに覚醒して(「あれはシンセサイザーの音だったのか!」となって)、シンセを買って音楽を始めるという、そんなストーリーを勝手に思い浮かべたりしました。

そんなことを想像すると、レコード(7インチ)のB面の存在は面白いなと改めて思ったりしています。CDでも1枚を埋めるために十数曲入っていて、ドラマや映画でタイアップが組まれている数曲とは別に、特に他のメディアとの関連なく入れられていたけど、後々「名曲」と呼ばれるようになる曲はあるわけで。レコードでいうと片面(A面 or B面)の最後に置かれた曲だけれど、隠れた名曲として語り継がれるような曲もよくあります。

何でもかんでも必要なもの以外は「無駄」として排除される昨今ですが、余剰なもの=「無駄」とするのではなくて、「余裕」とか「幅」とかそんな感じでとらえられたらよさそうです。こういうちょっとしたことが、将来的には何かの豊かさにつながるのではないでしょうか。(とこんなことを考えていると、今度は『サブスクで寄り道する方法』とか考えたくなるのですが、それはまた別の機会に…。)