記事一覧
「奇跡」('Wonder')和訳
わらわは葉を歌いました、黄金の葉を、そして葉は育ったのです
わらわは風を歌いました、そして風は来て、葉の合間に吹いたのです
ロスローリエン
わらわは織りました 光の中 時にとらわれぬ喜びの秘密の地を
わらわの完璧なこども 死ぬさだめの者の手には穿ちようもなく
ロスローリエン
太陽の向こう、
月の向こうの
奇跡
奇跡
果てなく輝け ともしびよ
空へ立ちのぼり 夜を砕け
とことわに生きよ 止め
「声を聴け」(Lasto i Lamath)和訳
変化の風が吹き
旧い世界は留まりませぬ
離れていれば私たちは無力
しかし共にあれば
闇を征服することを望めるでしょう
風の中の声を聴きなさい
あなたの先祖たちの声を
恐れることはありませぬ!
あなたは選択を迫られ
誰にも助けられはしない
聴いて、あなたの本能を信じるのです……
西へ('Into the West')和訳
横たえるのです
あなたの疲れた優しい頭を
夜は来ました
あなたの旅路も終わります
さあ 眠って
先に来た者たちのことを夢見るのです
彼らは呼んでいます
遠い向こうの岸から
なぜ泣くのです?
その涙はなんです?
じきにわかるでしょう
すべての恐れは消え去っていくと
あなたは私の腕にしっかり抱かれて
眠っているだけなのですよ
水平線上に
あなたは何を見ますか?
なぜ白いカモメは鳴くのでしょう?
かくありますよう('May It Be')和訳
『ロード・オブ・ザ・リング:旅の仲間』のエンドクレジットの曲についている戸田奈津子氏による字幕があまりにひどかったので、拙訳を。
歌詞和訳夕の星がひとつ
あなたに輝きますよう
闇が来るとき
あなたの心が真でありますよう
あなたは孤独に道をゆく
なんと故郷から遠くまで来たことでしょう
モルニエ ウトゥーリエ(闇 来たりぬ)
信ずれば道は開けましょう
モルニエ アランティエ(闇 降り立ちぬ)
あ
ゴクリのうた('Gollum's Song')和訳
『ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔』のエンドクレジットの曲についている戸田奈津子氏による字幕があまりにひどかったので、拙訳を。
歌詞和訳
光があったのに 今はまっくら
愛があったのに もう愛はない
「さよなら」って言うなよ
「努力しなかった」って言うなよ
わしらの涙 雨のよう
みな嘘ばかり 痛みよ 責めよ
わしらは淋しく しとりで泣くよ
わしらは迷子よ もう家には帰れない
しまいには なる
Hayao Miyazaki's Takes on The Lord of the Rings Are Worse Than You Think
A week ago, an article titled ‘Hayao Miyazaki named the Hollywood films that he hates the most’ was published on a website called Far Out (which I did not know much about). The article explains Miyaza
もっとみる人工言語データベースにあなたの言語を登録しよう! 海外コミュニティにおける公開データベースの紹介
海外の人工言語コミュニティで、世界中の人工言語作者が作っている言語を巨大なデータベースにして管理しようとする取り組みが始まっています。正式名称はConlang Database and Documentation Projectとのことです。
公開されたGoogle Spreadsheetを共同編集する形で始められているようです。筆者は主宰者ではありませんが、この取り組みを日本人人工言語作者にも
人工言語の作り方#004 人工言語の音①
音声学と音韻論の区別重要な前提として、音声学と音韻論の二つの分野を区別しなければならない。音声学は、どちらかというと個々の音がどのように発せられ、空気中を音波として移動し、どのように聞き手に受容されるかということを論じる分野である。これに対して音韻論では、音同士が特定言語の中でどういう関係を持っているか、また音がどのように配列されることになっているのかに焦点がある。
本投稿ではこの両方の分野に属
人工言語の作り方#003 言語の「目的」とそれに応じた作り方の方針
作業を始める前に、なんのために人工言語を作るのかを決めることが非常に肝要である。
この人工言語は、あなたや世界にとってどのような役割を果たすのか? あなた個人が私的に用いるためだけのものなのか? 誰かの目に触れる作品となるのか? 作品になるとして、それ単体で存在するものなのか、それともそれより大きな物語や世界観の一部なのか?
というのは、前投稿で述べたとおり、これによって作業内容が変わってくる
人工言語の作り方#002 基礎的な方法論
人工言語制作に必要な道具私にとっては、人工言語創作は究極的には紙とペン、それから発声器官のみを必要とする創作ジャンルである。いわゆる狭義の自然言語には、音声がない言語は基本的にはないとされているため、音をデザインする過程は必要になるだろう。だから発声のために必要な器官を使う。もしなんらかの原因で自分の音声器官の使用が難しければ、友達や家族に協力してもらうこともできる——思った音をなかなか出してくれ
もっとみる人工言語の作り方#001 総論
本稿における人工言語とは人工言語を定義することは思いの外困難である。ある人によれば人工言語とはプログラミング言語と同義であるし、別の人はそれを単に「自然言語」の対義語であるというかもしれない。人工言語はよく、人類の歴史のなかで自然なプロセスを経て生まれてきた言語とは異なり、特定の人・集団によって特定の目的のために作られた言語などとして説明されるが、この定義が100%有効なものであるかは怪しいもので
もっとみる『シャドウ・オブ・ウォー』を数時間プレイしたトールキンファンの感想
2017年発売のゲーム『シャドウ・オブ・ウォー』、原題 Middle-Earth: Shadow of Warをプレイしてみました。
他の記事を読めばわかるかもしれませんが、僕はこのゲームのベースの設定となっている、J.R.R.トールキンの創造したアルダという世界(とともにトールキン自身)のファンで、トールキン自身の諸々の著作に非常に感銘を受けているだけでなく、おそらく彼の最も有名な作品である『