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タクシーと僕

noteを更新しようしようと思って全くできてなかったので、インスタのストーリーで単語を募集させてもらいました。
ご協力いただいた皆様ありがとうございます。いただいた単語から書けるだけ書いていきたいと思います。

【タクシー】

タクシー。信じられないくらい便利な乗り物だと思う。ただ僕にはほとんど縁のない乗り物だ。
僕は移動は基本的にバイクなので電車にもタクシーにも乗らないのだが、まず電車はめちゃくちゃ苦手というのがあるので乗らない。タクシーは乗らないというか乗れない。
理由は簡単でめちゃくちゃお金がかかるからだ。

移動するのに4.5千円が簡単に飛んでいく。タクシーに軽く乗れるようになった芸人さんを見ると「あぁ売れたんだな」と思う。
そんな僕でも売れてる先輩と一緒にタクシーに乗らせてもらう時があるのだが、そのタクシーは信じられないくらい快適だ。売れてる先輩と乗るタクシーなら一生乗っていたい。このまま北海道でも沖縄でも連れて行ってもらいたいくらいだ。
自分だけで乗った時は運転席にある料金メーターをドキドキしながら見なければいけないので、とてもリラックスできない。自分の国のワールドカップ決勝のPK戦を見ている時ぐらい集中して息を止めて見ている。
そんな時に運転手さんに話しかけられても全く話がはずまない。そのメーターさえ止めてくれれば2.3時間話してもいいのに。

数年前、たまたま色んな人がどんどん参加していくタイプの飲み会に参加したことがあった。
僕はほとんど初対面の人ばかりだった。そして皆で話しながら飲んでいき当たり前みたいに終電を逃していた。
その時に思ったのだが、皆はなから終電で帰る考えがないのだ。終電がなくなった5分後くらいに解散の流れになった。5分前に言ってくれたら僕は全速力で駅に駆け込んでいたはずなのに。

皆で大通りに行ってタクシーを探す。そのメンバーの中で何故か僕はめちゃくちゃ気を使われていた。元々初対面の人に気を使わせてしまうタイプの僕は最初のタクシーが捕まった瞬間に「まずは鳥山さんどうぞ!」と通されてしまった。

皆がタクシーで帰ってからタクシーに乗るふりして歩いて帰ろうと思っていたのに、乗らざるを得なくなってしまったのだ。

そこで狼狽えてしまってはかっこ悪いと思った僕は「すいませんねぇ、ありがとうございますぅ」と言いながらタクシーに乗った。

このまま家までタクシーで行くと5000円はかかると思っていた僕は、運転手さんに「とりあえず出してください」と言った。
走り出すタクシーの中から窓を開け皆に挨拶する。
いつものことですよ感をちゃんと出しつつ、一人一人に丁寧に挨拶をした。

皆が見えなくなってからすぐ運転手さんに「あの、1000円ぐらい進んだところでおろしてください」と言った。

しかもこの大通りでおろしてもらうと後から皆が乗ってくるタクシーが通ってバレてしまうかもしれないので、よくわからないところで曲がってもらい、一回も来たことのない住宅街でおろしてもらった。

そこから僕は1000円分遠くなってしまった道を歩いて家まで帰った。
もちろんその事はあの時のメンバーには言っていない。
皆はあのまま優雅に僕が家までタクシーで帰ったと思っているだろう。僕が家に着いたのはその2時間後で汗だくだったことは知りはしないだろう。

いつか軽くタクシーに乗れる人になってみたい。
もう二度と知らない住宅街で皆のタクシーが通り過ぎるぐらいの時間を潰してから歩いて帰ることなんてしたくない。

そんなことを思いながら今日も、売れてる先輩とタクシーに乗る。

よろしければ、是非お願いします!