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【マーケティング部通信】「初心者向け」ってどういうことなの?




「教えていただきたいのですが、
ここからどの道を行けば
いいのですか」

「それは、君がどこへ
行きたいかに大いによるな」

-イギリスの作家 ルイス・キャロル-





・・・


鳥鳥鳥(さんとりい)[@3tori_virtual]です。

ネットが一般に普及した現代、あらゆる情報で「初心者向け」というコンテンツが誕生しています、これはとても素晴らしいことです

しかし、「初心者向け」と付くものが増えすぎたためか、本当の意味で「初心者向け」と呼べるものがどういうものであるのかというのが薄れつつあると感じております。
その変化を新しい時代だと喜ぶべきなのか、それとも文化の摩耗だと悲しむべきなのかは、私にはわかりません。

今回の「よもやま覚え書き」は、そもそも初心者向けっていったいどういうものなの?ということをお話ししていきます。
といっても、そんなに難しいことではありません、実際に読んで見れば、「確かに」とか、「なるほど、そのとおりだ」と思えるような程度のものです。
(もっと言うなら、別に初心者向けに限って言えるような話でもないとも言えますが、これは「初心者向け」の話をするなら必ずそうなるので、むしろそれでいいです。)

あまり肩肘張らずに、「まぁ読んでやるか!」くらいの心持ちで、さらりと目を通していただけますと幸いです。



◆この記事をお勧めする人

- 色々と「初心者向け」ってやつが多すぎて、何から手を出せばよいのやら…
 =>この記事ではコンテンツ制作者向けの「初心者向け」についてを書きます!逆に、ここで書いた要点が抑えられている「初心者向け」コンテンツを探すことで、あなたが求める「初心者向け」と出会えると思います!

- 「初心者向け」には興味がない!早くもっと凄いことをしたい!
 =>「初心者向け」とは、その道の熟練者こそが作ることができるコンテンツですので、「凄いこと」のために「凄い人」の発信する「初心者向け」のコンテンツは、そんなあなたに向いています!

- 知り合いの初心者のために、自分ができることを知りたい…
 =>この記事では「初心者向けコンテンツの制作のポイント」を書いていきます!



1,初心者向けを作るということのよもやま。

Aさん「このコンテンツは質やレベルが低いから初心者向け」
Bさん「このコンテンツは目標のための最初の一歩に役立つから初心者向け」

まず絶対に正さねばならないのだが、初心者向けとは「自分が初心者だから、初心者に向けたものしか作れない」ということではない。

そもそも、知識であれ技術であれを初心者に教えるためには、それを教える本人がある程度以上に熟練していなければならない
しかも、本当に物事を教えるというためには、教え方のコツや教えるための資格が必要であるという、ざっくり言うなら「教えることそのものが特殊なスキル」ということだ。

「初心者向け」は、求めることに初心者向けであり、作り出すことに上級者向けになるというコンテンツと、まずは知ってもらいたい。

そして、その上で「初心者向けコンテンツを作るためのコツ」を教えていきたいと思う。



2,求めるものがわかるから、教えることができるということ。

教える人「3Dモデル製作、まずはこの初心者向けから初めてみよう!」
Aさん「凄いモデルを作りたいと思っていたんだけど…これ、私が求めていたものだ!
Bさん「凄いモデルを作りたいと思っていたんだけど…? これがいったい、何の役に立つの?

コツその1は「自分に何が必要なのかすらわからない人がいるということを知る」ということです。

上記の例では、二人とも同じものを作りたいと思っていても、役に立つと思えているというものと、役に立つか全然理解できないというものに、はっきり意見が別れました。
このような状況は、メンターとして初心者を相手にするときによく見かける現象です。

これは、「それがあると便利であることを知らない」という状態や、「自分の掲げている目的・目標に対してそれが必要であることを知らない」という状態であるがためのものです。

ここでのポイントは、「それがほしい!という状態になる可能性があるけど、その事に気づいていない人」がいるんだってことを初心者向けコンテンツを作る側が知っておくってこと。

では、具体的にどうやれば「この初心者向けコンテンツが必要であると気づいてもらう」ことができるのか、それについてを次の節でお話しましょう。



3,未来のために必要か、今すぐに必要か。

Aさん「私は未来の夢が決まっているから、そのために色々なことを覚えていきたい!」
Bさん「私は今の自分のやりたいことに対して、自分ができることを広げていきたい!」

コツその2は「目的を明確にすること」になります。

「初心者向け」を求めている人の多くは、『◯◯だから、初心者向けにたどり着いた(初心者向けを求めた)』という、そのコンテンツを求めたことの理由があります。
この『◯◯だから、』の部分が、その人たちが初心者向けを求めたことの本当の理由、求めた価値ということですね。

それならば、その人たちが求めるという、この『◯◯だから』の部分。つまり目的そのものにコンテンツを合わせることができれば、この人たちは「これが自分に必要である」と気づきます
その人たちが求めたことと、それに対してそのコンテンツに備わっているものが合致しているのですから、そりゃあ当然ですね。

気づいてもらうということ、またそれによって得られる効果をここまでで話しました。
では、さっそくですが、気づいてもらえるコンテンツを作りましょう。
「目的を明確にすること」について、具体的に効果のある方法を以下にお教えします。

①大きな目的、ゴールが設定されている

この初心者向けコンテンツには既に「完成予定図」が存在しており、そのために必要な情報であると伝えること。

求める側の『〇〇だから、』の部分に、「こんなものが作れるようになりたいから、」「こんなふうになりたいから、」など、具体的で大きな目的が設定されているために、『大きな目的・自分の未来のために知識や技術を習得したい人』にとって必要なものであると気づいてもらえるようになる。

例:
『初心者からプロのアニメーターになるためのステップアップ講座』
『フリーランスイラストレーターになると決めた人が最初に読むマガジン』
など
②今すぐに役立つ、楽しめる、実践できる

この初心者向けコンテンツには大きな目的というものは特に必要ではない。(大きな目的のためには役に立つだろうと思う)
この初心者向けコンテンツを学べば、今すぐに「今の自分のできることがランクアップ」する、というような内容であることを伝えること。

求める側に『◯◯だから、』の部分に、「今の自分がこういう状態だから、」「今の自分にできないことのために不便を感じるから、」などの直近の欲求が設定されているために、『具体的に今の自分に直結する悩みや問題を、今すぐに解決したい人』にとって必要だと気づいてもらえるようになる。

例:
『今すぐ使える、Discordチャットを装飾するチートコード』
『サルでもわかる、3Dモデルのおっぱいの揺れを自分好みに調節する方法』
など

基本的には以上となる。
かなりうまいやり方は、①・②の要素を両方とも組み合わせた初心者向けコンテンツに仕上がっていること。

ここでのポイントは、「目的が明確になっている」ことだ。
制作するコンテンツが初心者向けならば、「大きな目的」が設定されていて、「この章を学べば今すぐにできることがランクアップする」という内容に小分けにされているのが良いだろう。



4,なんてことはない初心者向けのコツ

「何が必要なのかすらわからない人がいるということを知る」
「目的を明確にする」

ズバッと言ってしまえば、こんなのは当たり前です。
例えば「家を作る」という話が知りたいのに、「地面に枝を立てる」なんて話をいきなりされても、全然理解できないことだと思います。
(この場合の「家を作る」は、個人が身一つで制作可能な「家」を作るというDIYの話で、プロの建築とは異なる話なのだと思われます。)

でも実際に、作る側が目的を明確にせずとも、何が必要なのかわからない人のことを想定していない状態で書こうとも、「地面に枝を立てる」だって間違ってなんかいないのです。
内容としては、それだって「初心者向け」と言えるのです、内容だけを見れば。
道具を使わず、まずは身一つで実践できる初歩的なことであり基礎的なこと、それを教えてくれているだけなのですから。

この話を「初心者向け」としてきちんと届けたいというのであれば、
自分が何の情報を提供しているのか、
情報を求める側はこれを必要だと気づけるのか、
それによってどんな目的が達成できるのか、
初心者向けに必要な、たったこれだけの要素を入れるというだけの話です。

「家を作る」の例ならば、

自分は「身一つですぐに実践できる家を作る方法」の情報を提供しており、
情報を求める側は「道具なし・身一つで・すぐに実践できる」を求め、
それによって「サバイバル生活のスキルアップ」が達成できる。

ここでの「家を作る」という話は、「サバイバル生活」という目的の一部だったということだ。
情報を求める側は「家を作る」というニーズに対し、「サバイバル生活を行うのに必要な知識だから」というベネフィットとしてその情報を求めた。
そして「身一つですぐに実践できる」ということで、特殊な道具やスキルも不要だと思われることから、初心者にとってもとっつきやすいと思えるだろう。

情報が整理され、きちんと揃うことで、始めて本当に「初心者向け」として役に立つようになるのだ。

この「初心者向けに必要な要素を入れる」ということは、そんなに難しくはないと思います。
それでも難しいと感じるのであれば、まずはそのことを克服することを目的に、そのための目標を立ててみるのが面白いのではないかなと思います。



おわりに

ここまでの話は難しかったでしょうか。
であれば、私の教え方が下手だった可能性が高いです。
そうなると、私もまだまだ未熟だということになります、目標を定めて、精進しましょう。
逆に自身を初心者だと認識していようとも、ここまでの話をすべて実践できるのなら、あなたは初心者向けのコンテンツを作れることでしょう。

なんにせよ、「初心者向けのコツ」にだけ要点を絞るのであれば、この記事で書いてあるだけのことをしっかりやっておけば、ある程度は事足りるはずです。

そして、もっとしっかりと「初心者向け」のコンテンツを作りたいという方は、今回は話さなかった「ニーズとウォンツ」「顧客知覚価値」「顧客価値」「AISASの法則」「セグメント・マーケティング」「ニッチ・マーケティング」…などのマーケティングのことや、「ブランド・アイデンティティ」「ブランド・イメージ」「マーケット・シェア」「参入障壁」…などのブランディングのことも学んでみてほしいです。

本当は、上記のような内容も含めた形で、今回のテーマだけで5万文字以上書いてしまったのですが、話が広がりすぎて今残っているもの以外全部消しちゃいました。
何度推敲しても、初心者向けを扱う記事なのに初心者向けにならない(そりゃそうだ、そんなの最初に言ってる)ために、今の12倍の文字数だったのを消した、キエエーーッ!それもまた楽しイィーーッ!!


最後に本日のまとめだけ残して終わりとしましょう。

・「それが自分に必要だ!」という事に気づいていない人がいる!
・基本的には、「未来の自分」に役立つか、「今すぐ」に役立つか!
・初心者のためにこそ、コンテンツはその「目的」を明確にすること!

以上、本日はここまで!


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