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なつのて

DOKKOISE HOUSEの1stアルバム「FLOATING HOUSE」発売を記念して、ライナーノーツを書きました!至近距離からの制作観察記録です。発売まで毎日1曲ずつ更新していきます。
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『natsu no te』

これはもう解説するだけ野暮なんだよなあ…。ただただひたすら良き歌です。

リハスタで初めて聴いたとき、涙堪えましたもん。ぜひ歌詞を読みながら聴いていただきたい。言葉がきれいなの。こういう歌に出逢えたとき、日本語話者でよかったと心から思うね。

この曲はミンミン蝉(というおもちゃ楽器)と、波音で参加しました。つづらに小豆を転がしてザザーっとやる、アレです。

ちょっとわがまま言うと、制作過程を知らずに聴いてみたかったなー、、なんてないものねだりなことを思ってしまった(笑)。というのも、どういう状況で録音したのかと思うような不思議な音源だから。

演奏は全員で同時にほぼ一発録りしてるのね。同時に録ると細かい修正がきかないというデメリットはあるけれど、気配が色濃く残るのが魅力だと思う。この音源は私たちみんながいつかいなくなったあとに、「DokkoiseHouseっていう人たちがいたんだ」というのを伝えてくれるはず。最後のほうで風にマイクが煽られて軋んだ音を立ててさ、このノイズをミックスで取るか取らないかって話になって「臨場感があっていいんじゃない?」ということで残すことになった。

風は吹くし、音楽は鳴り止む。鳴り止んだあとで、子ども達の声が聞こえる。そういう“音のある世界”の豊かさを感じる音源です。

今の時代にCDを作ることについては、いろんな意見がある。ポジティブなのもネガティブなのも。でもやっぱり「モノが残っていれさえすれば」というのはあると思うんだ。CDがあればいつか誰かが聴いてくれるかもしれない。50年後かもしれないし、たった一人かもしれない。でもその一人に届いたら素敵じゃない?

だからさ、やっぱりCD作って売るのって、誰がなんと言おうと嬉しいことなんだよね。改めて、本当にリリースおめでとう。