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「エンジニアの立場で考えるUXデザイン」に参加して学んだUXデザインの基本

2020/7/18に開催されたHCD-Net東海支部設立記念セミナー「エンジニアのためのUXデザイン」に参加したのでそこでの学びを振り返りたいとおもいます!!

1.初めて安藤先生

講師の千葉工業大学の 安藤 昌也 先生は「UXデザインの教科書」の著者であり、日本のUXデザインの第一人者です。以前からお名前は知っていたのですが今回始めてお話を伺いました。UXデザインの基本的なお話を振り返りつつ、新たな視点もたくさんあり、多くの気づきを得ることができました。

当日の資料はslideshareで公開されています。

また事務局のみなさんがグラレコをシェアしてくださりました。

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2.UX・UXデザイン・サービスデザインの違い

「UXとは何か?」というお話から講演が始まりました。この辺は復習だなと思って最初聞いていたのですが、違いが理解できていなかったUXデザインとサービスデザインの違いについてお話がありました。

UXデザインは「ユーザーの嬉しいと感じる体験を目標としてデザインしていくための取り組み方と方法論」であるというのは自分の中でも理解できていました。「UXデザイン=取り組み方・方法論」ということはわかっていたのですが、サービスデザインは「その取り組み方・方法論が発展したもの?」なのかなと勝手に考えていました。しかし安藤先生から「良い体験を提供できるサービスを作れても、それを提供し続ける組織、仕組みがないとサービスを提供し続けることができない」というお話がありました。フロントエンドの部分を中心に考えるのがUXデザイン、バックエンドも含めた全体の仕組み・組織を考えるのがサービスデザインであるということがわかりました。

UX:ユーザーの主観的な体験
UXデザイン:ユーザーの主観的な体験を考慮して設計を行うこと
サービスデザイン:サービス提供体の品質を維持する全体的・組織的を設計すること

3.UXとは何か?

次にUXとは「何か」?についてお話がありました。

UXの重要な要素であるコンテキストについて、安藤先生は「文脈や状況言われることがあるが、文脈は”時間的なニュアンス”状況は”空間的なニュアンス”が含まれており、時間的と空間的どちらのニュアンスも必要」と言われていました。私は利用文脈を考えるときはどちらか片方しかできていないことが多く、意識して両方考えられているかをチェックしようとおもいました。

またUXを捉えるために”体験をとらえるレンズ”を理解しようとお話がありました。UXの期間モデルでは予期的UX、瞬間的UX、エピソード的UX、累積的UXの4つに分けれますが、このうちユーザーがサービスと出会う前の予期的なUXを除いた3つのUXがエンジニアが主に携わるUXになります。同じサービスでもどの3つのUXのうちどれにフォーカスするかで、競争力(差別化)になるポイントが変わります。講演では配車アプリを例にして説明がありました。各社フォーカスしているポイントが違うのですが、体験全体の意味レベル「①累積的なUXのレンズ」で考えている会社さんが一番高い視点でサービスが考えられている印象を受けました。逆に「③瞬間的UXのレンズ」のレンズで考えている会社さんはUIや機能の話がメインで、移動することで得られる楽しさ、嬉しさが抜け落ちていると感じました。

①累積的UXのレンズ<意味レベル>
②エピソード的なUXのレンズ<タスクレベル>
③瞬間的UXのレンズ<インタラクションレベル>

最初は同じようなサービスでも、視座・視点の高さでビジネスとの広がりも変わってくるので、いま自分達はどの視座・視点で考えているか意識する癖をつけたいとおもいました。

4.UXデザインするということは?

次に解の求め方についてお話がありました。エンジニアは多くの人が当てはまる一般解を求めようとしますが、UXデザインは特定のユーザーのみに当てはまる個別解を求めてから一般解を求めようとします。最初にそのプロセスの違いを理解する必要があります。

UXデザインは「利用状況が同じであれば人は同じような行動・反応することが可能性が高い」という考え方をコアにデザインを進めます。なのでUXデザイナーはユーザーの時間(文脈・状況)をデザインする「顧客の時間を扱う専門職」になります。ただUXはユーザーによって異なるだけでなく、各メンバー(マーケ、営業、エンジニア)で見ているポイント・工程が異なっています。見方が違うと対立が生まれてしまいますが、意識合わせをして対立を解消していくのもUXデザイナーの重要な役割になります。

そのためにまずは想定ユーザーであるペルソナを決めるのですが、「ペルソナが死んでいる」ことが多くあるそうです。最初作ったペルソナは仮説なので仮説検証を行ってペルソナがしゃべることが予測できるくらいまで解像度を上げる必要があるそうです。私も会社のプロジェクトでペルソナを作っているので「しゃべれるペルソナなのか」を意識して仮説検証を繰り返したいとおもいます。

5.まとめ

今回初めて安藤先生のお話をお聞きしましたが、自分自身が理解が甘かった点・できていなかった点に気づくことができ、とても勉強になりました。特にUXデザイナーの視座・視点についての気づきが多く、これからもっと意識して取り組んでいきたいとおもいます。

安藤先生、企画してくださった東海支部の皆様本当にありがとうございました。

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