見出し画像

パレットクラブ絵本コースはじめました 第8回 絵本作家 山口マオさん

8月の夏休みをはさんで9月。久しぶりの講義です。徹夜続きでちょっとバテてますので早速本題へ。

絵本作家 山口マオさん

講師は絵本作家の山口マオさん。「わにわに」シリーズが有名です。

https://mi-te.kumon.ne.jp/contents/article/12-129/

torisunの身近なところだと同じ出身地である新美南吉の「かにのしょうばい」の絵本。山口マオさんの絵が新美南吉の面白さを引き立てているのでぜひ読んでほしい一冊です。

https://www.ehonnavi.net/ehon/83546/かにのしょうばい/

文章を添えた脳内絵日記

今回の課題は『脳内絵日記』。本当にあったことを描いてもいいし、妄想や空想としての絵日記、夢日記でもOK。この先、絵本を描いていくのに自分が使いやすい画材で、手加減せず、本気の一枚絵を。その絵に脳内絵日記としての日記の文章を長過ぎない程度に添える。ちなみに課題説明文の最後は『面白いものを期待しています』で締めくくられていた。プレッシャーだ。笑

夏休み期間中、何を描こうか悩んで悩んでいるところに、私の息子が夢中になっておもちゃで遊んでいた。そんなに子どもが夢中になるんだから面白い世界が広がっているのかも…とその様子をモチーフにすることに。実際に描いた絵がこちら。

画像1

《添えた文章》
暑い夏の日の午後、おばあちゃんちへ行った。土間に靴を脱ぎ捨てて、シュッポーのもとへ。
レールを一つ一つ繋げて、手で転がすと…ポン…ポンポン…ポンポンポンポンポンポン!
みんなを乗せて、しゅっぱつしんこー!

ほとんどが現実にあったことだが、汽車に乗っている子どもや動物たちは「息子にはこんな風に見えているのかな?」という妄想部分。

絵本作りのトレーニング

講評
・子どもが空想の中で遊ぶというテーマ良い
・(色鉛筆は映えないかなとtorisun自身は不安だったけど)描き込めているので物足りなさは感じない。しかし畳は描き込みすぎて気持ち悪いのでもう少し抑えた方がいい
・構図や全体のバランス良い
・文章の擬音。汽車は『シュッポー』って名前だけど擬音は『ポンポン』で差が出てしまっている(実際のおもちゃがそうだったので、そのままにしていた…泣)大人の勝手なイメージだからわかりやすく揃えてあげたほうがいい

この課題、絵日記だけど実は絵本作りのトレーニングのひとつ。1枚の絵を描いて、そこから絵本へと展開させていく。特に今回の講評は文章もしっかり見られているようでした。言葉の細かな表現まで気が回っていなかったなと反省。

商業出版と自費出版

講義の中で何度か出てきた『商業出版と自費出版』という言葉。絵本を作るとき、自費出版なら自分が納得したところで完成だけど商業出版となるとそうはいかない。「売れないと仕方がない」(出版してみないと売れるかどうかはわからないけど)でも最低限必要なことはある。
・いいなと思う絵、何度も読みたくなる文章
・生理的にNGな表現ではないか

を踏まえて作っていく。

自費も商業も作る過程は一緒だけど違うのは『責任と覚悟』。人に言われた時に受け止めれるか?5回、6回と何度もラフを描き直すことができるか?出版するまでに何年もかかる。それが商業絵本。まずはコンペを目標に頑張って欲しい。


絵はもちろん文章も

講義の最後に10月発売のマオさんの新作『シグナルとシグナレス』(宮沢賢治さく)を読み聞かせしてくれました。引き込まれるような空や山の表現。いいなと思う絵でした。

マオさん自身も普段から毎日絵を描くのと同じように文章もメモしているそう。文を形にとどめる訓練。何度も読みたくなる文章か〜。文章作りのトレーニングせねば。
怒涛の課題が続く9月。次回に続きます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?