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なつかし劇場セピア/幸せの赤い鳥

(本文はなるべく400文字以内)

昭和の時代。

寒い師走の朝。

小学校の通学路でこうちゃんが自慢げに付けていたのは、共同募金の赤い羽根。


「何それ、カッケ〜!ガッチャマンの羽根手裏剣じゃん!」


教室の壁に投げつけると、


「パチン!」


と言う音とともに、突き刺さります。


「うぉ〜!」


クラスの男子のテンションはバク上がり。

放課後に駅前で募金活動しているおばちゃん連を取り囲む男子メンバー。


「おばちゃん、募金は1円でもいいんだよね。じゃ、10円入れるから10個ね」


「オレも10個」


「ちょっと、あんた達。この赤い羽根だって、お金かけて作ってるんだから。じゃ、1個10円よ」


謎の価格設定により、赤い羽根の末端価格は10円となるが、飛ぶように売れていく。


「じゃオレ、3個」


「ハイ、3個ね」


「オレ、4個」


「ハイ、40円ね」


「オレ3個。50円玉だから、おつり頂戴」


募金活動は何処へやら、羽根手裏剣を売りさばき、もはや武器商人と化したおばちゃん連でございました。



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