黒く生まれて思うこと

わたしは黒い。肌が黒い。母も父も兄も普通の肌色。わたしだけ黒い。純日本人。

生まれた時から黒かった。29年生きていて、ずっと黒い。夏になると更に黒光りする。

人とは違うと分かったのが、小学校に入ったとき。

「アメリカ人?なに人なの?」

同い年の子に、問われて気付いた。わたしって普通じゃないんだ。心が少しだけ凹んだ。目が痒いふりして、涙を拭った。

中学生になったとき。

テニス部だった。みんな黒かった。わたしは際立って黒かったけど、そのおかげでコートに立つと強そうに見えた。実際は万年補欠。

高校生になったとき。

初めての友達を作ろうとしたら、避けられた。顔が濃くてギャルだと思われたらしい。その後仲良くなった。普通に楽しい学校生活を送ったけど、肌の黒さはいじられた。やっぱり悲しかったけど、この頃には開き直って自虐にはしるようになっていた。それより背中ニキビが酷かった。今なら小林製薬のセナキュアを全力で推す。

大学生になったとき。

色白に憧れた。日傘をさして、日焼け止めを塗って、美白効果のある化粧水を使った。効果は感じられなかった。でも、人並みに恋愛して、サークル活動や勉強にも励んで、とにかく楽しかった。自分の身なりを卑屈に考えることはなくなった。2年間一緒にバイトしていた男の子に突然「お前はAカップだろ」と貧乳を指摘されことが、唯一嫌だった覚えがある。ちなみにBだった。一生忘れない。

そして今。29歳である。

巷でよく聞く「透明感」。メイク雑誌なんかもそればっかり言っている気がする。だからわたしはそういった情報には目を通さない。色白至上主義には参画できないのだから。

肌の黒さを受け止められるようになったわたしは、いまのところ無敵である。でもそれは、周りから肌の黒さを悪く言う人が居なくなったからなんだろう。

「あなた黒くて本当に気持ち悪い。見たくない。」なんて連日言われたら、きっと死ぬほど地黒が嫌になって、それはそれは辛い日々がはじまるだろう。

わたしは自分の欲しい言葉をかけてくれる人だけを大切にする。

思いやりを失ったただの失礼な人たちの相手をしても、自尊心が削られていくだけでマイナス。

わたし自身も相手を思い遣って、お互いに幸せな時間を過ごしていけたら、と、いつも思ってます。どうぞよろしく。




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