2021年1月25日(おかえり在宅勤務)

今日から約半年ぶりに在宅勤務が始まった。

半年ぶりというか、前回の緊急事態宣言ぶりだ。緊急事態宣言が出たから在宅対応をする、という、時代の流れを先読む気が全くない後手な風見鶏主義を感じる。

今回、今日から2月7日まで緊急事態宣言中の2週間は部署の全員が出社をしない完全在宅。その後は当面、業務ごとのチームに分かれて交代出社という方針になった。

別に2週間でコロナがいなくなるわけじゃあるまいし、だったら今週と来週も交代出社で構わないのだが…おそらく宣言に伴う出社人数削減の要請に従ったらこういう形になったんだろう。

そもそも在宅への対応が遅すぎる件については、なんかもう何も言うまい。

わが上長が、これがまた呑気な人でついこの間まで在宅をさせる気が一切なかったらしかった。どちらにせよ、今回の判断は「ようやくか」と、いち平社員としてはほっとしているところだ。

そんなわけで、いざ「在宅するぞ!」と決まってからの先々週・先週はそれに向けての準備でにわかに慌ただしい時間を過ごした。

そんな中、私が期待していたのは在宅中ゆっくり過ごせるだろう朝の時間だ。

幾日か前の日記に書いたが、私は朝ごはんへの期待を胸に眠るのが好きだ。というか、朝ごはんが好きだ。白ご飯に卵を落とすのも良し、スープで体をあたためるのも、ベーコンエッグも、オートミールも。小麦アレルギーなので滅多に食べないが、パンやホットケーキの朝食も素晴らしいと思う。

そして朝の光が好きだ、空気が好きだ。まだ真新しい1日の香りを嗅ぎながら散歩するのはとても心地良い。

要するに朝が好きだ。しかし低血圧なので、早起きが得意なわけではない。起きることはできても脳が半分寝ていてきびきび動けず、朝はけっきょく出かける間際にドタバタになることがほとんど。

これが在宅になってみればどうだろう。

いつもと同じ時間に起きても、身支度や移動の時間を省略できるのでたっぷり1時間ほど余裕がある。それだけあれば美味しい朝ごはんが作れるし、ちょっとした運動なんかもできるだろう。駅前のカフェにコーヒーをテイクアウトしに行ってもいい。

ただし問題がひとつ。これは始業が9時の場合、だ。

この1度目と2度目の在宅勤務に挟まれた半年ちょっとの間、我が職場は中途半端な時差出勤だけは導入していた。よって私の出勤時間は8時半から、が2020年度のデフォなのだ。

これが会社から30分足らずのシェアハウスに住んでいた頃はよかったのだけど、実家に帰ってきてからがまぁまぁきつい。毎朝、わりとギリギリと戦っている。

せっかくだし在宅期間は目一杯朝をゆっくり過ごしたいな、、、という煩悩が、新年明けてひと月も経たないうちに私の胸で首をもたげた。

「次長、在宅期間なんですけど、全員在宅の間は勤務時間を統一したほうが合理的じゃないですか?」

あるときのミーティングで何気なく、上司にそっと提言をしてみた。

「統一?」

「電車に乗らないなら、混んでる時間帯を避ける意味の時差出勤は意味がなくなるわけじゃないですか。そしたら、いっそみんな同じ9時からに戻したほうが、連絡のとり方もスムーズになると思うんですけど」

「確かに、一理あるな。統一にしよう」

ッシャ!心の中でガッツポーズ。これで、いつもよりちょっと多めに眠れるうえに、優雅な朝を手に入れられる。

と、思いきや、だ。ここで素直に喜ばせてくれないのが私の職場である。

「完全在宅の期間中は全員勤務時間を8時~16時半で統一にします。皆さん、朝は8時から出勤をしてください」

あくる朝のミーティングで次長はそう言ってのけた。

オイィィィィィ!と、私の脳裏では銀魂の志村新八くんがツッコミの声をあげていた。

なんでアル!ゆっくりどころかむしろ早くなってルネ!と、神楽ちゃんも文句を垂れている。

この采配は、全社で一斉に9時にリモート接続をすると回線が重くなるので、それを避けてとのことだった。確かにそうだが全然納得いかない。だったらせめて8時半からでいいじゃないか。

そんなわけで私の優雅な朝は儚い幻となり、普通に通勤するのとほとんど変わらない慌ただしいモーニングルーティンを繰り返していくことになった。

しかも本日初日、うっかり金曜日にデスクトップ本体の電源を落としたせいでリモート接続ができず、いつも以上にドタバタのてんやわんやだったというオチ。

昼休憩、ひといきつこうと駅前まで軽く散歩をしたら、最寄のスタバは7時からオープンであることがわかった。

ちょっと早起きだけ頑張れば、朝ごはん代わりにフラペチーノをテイクアウトはいけそうだ。

7時の開店を狙ってフラペチーノ買いにいき、急いで家に帰ってPCを開くのは果たして優雅かどうかは怪しいが、ひとまずは在宅中の楽しみとしてひとつ取っておくことにしよう。

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