2021年1月30日(火曜のごはん、振り返り)

8時始業の在宅勤務の日、あがりの定時は16時半となる。冬至は過ぎたとはいえまだまだ真冬のこの1月でも、ぎりぎり外が明るい時間だ。

こんな世の中じゃなければこのあと外へ遊びに行くのになぁ!と、本末転倒なことを考えながら退勤を押す。そもそもこんな世の中でなければ、昭和気質の勤め先が在宅や時差勤務を導入するはずがない。

今週火曜、私以外の家族はみな外へ仕事に出ていたので、ほとんど1日中家にひとりだった。人の気配のない家の中で、私はほっとする気持ちと寂しさとを併せて感じていた。

ひとりの気楽さと自由さにほっとし、それでいて自分以外物音を立てるものがいないがらんとした家の空気に寂しくなり、けれど”ここ”へは夕になったら帰ってくる家族がいることにまたほっと安心をする。

せっかくの機会なので、その帰ってくる家族にも食べさせようと、終業後の時間を使って夕飯を作ることにした。

体に優しく、だけど満足感も得られる献立がいい。2日前、特に何の意図もなく単に”安かった”という理由で買ったかぼちゃがあった。

これを使って、ポタージュ風の野菜スープを作ろう。

使うのは、かぼちゃ4分の1玉、ごぼうを3分の2程度、そして玉ねぎが1つ。

かぼちゃはそのまま、ごぼうはスライスしてレンジであたため柔らかくしておく。

その間、スライスした玉ねぎをオリーブ油で透き通るまで弱火で炒める。本当はこのとき油にはバターを使ったほうが味にコクが出るはずだが、ヘルシー優先でオリーブ油にした。

チンしたかぼちゃはフォークで簡単に潰せる。皮から身を削ぎ落して、ボールの中でごしごしとマッシュした。

ちなみにこのかぼちゃの皮は、あとのちょっとしたお楽しみのためにとっておく。

ごぼうの方は、100ml程度の水とともにミキサーで攪拌。どろっとしたピューレ状になった。

そうしてつぶしたかぼちゃとごぼうピューレを、玉ねぎを炒めた鍋に投入。スープの素と水を適量入れたらコンロに着火。こげつかないようにかき混ぜつつ、ぐつぐつと煮ていく。

途中で豆乳を適当に加える。ドロッとした黄色いスープの表面で、時折中からふくれあがった気泡がプツ、プツ、と弾けるのを見ていると、なんだか自分が怪しい薬をつくる魔女のような気分になった。

いい感じになってきたなあと思ったら、1度火を止め味見の儀。うーん、薄い!まだスープの素しか入れていないので、素材のごろっとした味がする。

ここからは勘とフィーリングが頼りの味付けタイムだ。

まず足りないと感じたのが甘みと味のパンチ。かぼちゃの風味が予想よりあっさりしていた。そこでラカントをスプーンに2杯とにんにくチューブを3~4㎝入れて、弱く火をつけかきまぜる。

味見の第2回戦。ごぼうの主張がちと強い…塩こしょうをふり、全体的に味を調えていく。

だいぶスープが煮詰まり、味も濃くなってきた。それでもまだ何かが足りない。やはり最初の玉ねぎ炒めをバターでするべきだったか。

ふと目の端に、調味料のみそパウダーが留まった。母が買ってきたものだ。もしやもしや?と思い、3振りほど鍋の中へふりかけてみた。

これが私的には良いヒット。こっくりとした風味が加わり、結構満足できる味に仕上がった。

スープに贅沢に時間をかけてしまったので、もう一品に大急ぎで取り掛かる。

チョイスしたのはYouTubeの1人前食堂さんのメニューから、「オカラそぼろ煮」。

こちらの動画内で紹介されているメニューだ。アレンジで、小さくサイコロ状に切ったナスもプラスした。

それから忘れちゃいけないかぼちゃの皮は、ココナッツオイルで炒めてチップスに。こちらは翌日、わたしの3時のおやつとなった。

自分がこんなに料理を楽しむ人間になるとは、昔は思っていなかった。しかしここ1年のうちに何度かあった引きこもり期間、1番楽しく過ごせた時間は食べ物をこさえているときかもしれない。

しかし自分のためだけに作る飯は適当な私で、普段夕飯は自分用にひとりで用意するのだが、だいたい納豆・豆腐・キムチ・即席スープ、以上!となっている。

健康的で豊かな食生活、そして料理の愉しみを保つためには、やはりいつか家族をつくるのがよいのだろうか。

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