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BELFAST(途中からネタバレ有り)
先日、「ベルファスト」という映画を観た。
友達がとても良かったと言うので頭に残っていた映画。
錦糸町パルコで買い物していた時に、チケット売り場を通りかかったら目に入った上映時間がたまたまちょうど良かった、という理由で、少し映画の内容をリサーチしてみた。
友達から聞いていたのは、北アイルランドについて監督の自伝的な要素を含んだ映画だと言うことだけ。
1969年、主人公の少年が暮らす北アイルランドの都市ベルファストが舞台。ある日突然、プロテスタントの武装集団がカトリック住民への攻撃を始め、幸せだった少年の世界は一変してしまう。
恥ずかしながら、この映画について調べるまで、北アイルランド問題について全く知らなかった。
近頃のロシア・ウクライナ情勢で、世界のニュースにもっと目を向けて理解したいと感じていたので、興味は沸いたけど、暗い内容で暴力の描写もあるだろうと容易に想像できたので、チケットの購入を躊躇した。
テレビから連日流れる、めちゃくちゃになった街や人々の様子で気持ちが疲弊しているし、そんな時にこんな映画、絶対泣くやん、、と思った。
が、メインビジュアルのコピーに背中を押された。
「明日に向かって 笑え!」
きっとこれは暗いだけの映画ではない。
希望を持たせてくれる内容なのだろうと思い、観ることにした。
結論としては、観て本当によかったので、興味のある人にはぜひお勧めしたい。愛がぎゅうぎゅうに詰まった映画だった。
以下、ネタバレあり。
とは言っても、大したことは書けない。ただの感想。
なんと言っても一番心に残っているシーン(ほとんどトラウマと言ってもいい)は、ベルファストから引っ越すことについて両親から尋ねられバディが感情を爆発させるシーン。
映画前半では「カトリックになれば教会に行かなくていいんでしょ?」と軽口を叩いていたバディが、「話し方も神様も変えたくない!行きたくない!」と泣き叫ぶのを観て、こちらも叫び出したいような気持ちになった。
言葉や宗教や文化はそのままその人のアイデンティティだ。
日本という単一民族の島国で、クリスマスを祝った翌週に神社へ初詣に行く習慣の中で生まれ育つと、なかなか心の底からは理解しにくいのだけど、それでも、外国人の友達ができた時にその人のことをちゃんと知ろうと思ったら必ず突き当たってきた。だから、このセリフは刺さる。
そして、ラストシーンを、夫を亡くし家族と別れ一人残る決意をしたおばあちゃんの表情のアップで締め括るというのが良かった。
「そう。振り返らないで行きなさい」
家族を見送りひとり呟く。バス(電車だったか?)が動き出す。
バディだけが振り向く。
この、振り向くというところが本当に良かった。
振り向くなと言われても(聞こえてはいないけど)振り向く。愛があるし、真実味がある。
それから、おじいちゃんかっこよすぎ。
「じいちゃん死んで踊るって不謹慎だろ」というレビューを見かけたけど、何を観ていたのかな?と思う。途中寝てたのかな?
明日に向かって 笑え!
のコピーを感じる良いシーンだった。
この映画を機に、北アイルランド問題やイギリスの歴史を勉強し始めた。
他にも勉強したいことはたくさんある。
このタイミングで良い映画に出会えて、錦糸町パルコでの偶然に感謝。
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