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漫才ライブ『明日のたりないふたり2021』の感想 (あれは死神だったのか、もしくは天使か)
(この記事は2021.06.19時点の記事です。少しネタバレ要素を含みます)
個人的に仕事が多忙な時期で、オンラインチケットの公開期限ぎりぎりに駆け込んで、解散ライブ『明日のたりないふたり』をまだ薄暗い明け方に観て、ひくひくするくらい泣く。
ぼくはそんなに熱心な「たりないふたり」信者ではない。だから“足りない”という言葉(概念?)にもそこまで愛着なかったんだけど、観ているうちに、“ぼくも足りな
ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【最終話の感想/分析】 これからも“人生を楽しむ”という宣言。
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幸せであたたかい最終回だった。
すべての登場人物が微笑んでいて、明日に希望があって、なにかに目標をもち、人生ってイイもんだなと思えるような“日常”。
第7話で、「人は時々寂しくなるけれど、人生を楽しめる。楽しんでいいに決まってる」というセリフが語られたが、まさにその体現のような最終回だ。ふりかえってみよう。(ここから先はネタバレあり)
◆◇
過
大豆田とわ子と三人の元夫【第8話の感想/分析】 近づいてきているのは“安らぎ”か“詐欺師”か?
※1話ごとに毎週記事を書いています。過去の回の感想/分析はすべてこちらに格納(ネタバレあり)↓
第8話は、小鳥遊(たかなし:オダギリジョー)が中心な回だった。
今回の“オープニング場面とエンディング場面”を(恒例のとわ子がカメラ目線でドラマタイトルを読み上げるシーンを)見比べるとよくわかるが、
“オープニング”ではまだ、小鳥遊の奇行(オン/オフが激し過ぎる)に、ついていけずに口をあんぐりする
「大豆田とわ子と三人の元夫」【第7話の感想/分析】 好きな人に“時間も空間も越えて”会いにいけるという考え方。
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「大豆田とわ子と三人の元夫」ってどういうドラマなの?と聞かれると、たしかにこのドラマはサスペンスとかコメディとか特定のなにかのジャンルにくくるのは難しいドラマだなと考えさせられるが、第7話を観ていてふと思ったのは、このドラマは“ある女性の一代記なのかもしれない”とあらためて感じたのだった。つまりいわゆる“朝ドラ”みたいなもの。朝ドラのような初々しさや爽やかさ
ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第5話の感想/分析】 生きるとは“サプライズの連鎖”である
3人目の元夫、中村慎森は「それいります?」が口ぐせの合理化人間でひねくれものである(根はいい奴)。第2話ではその慎森と大豆田とわ子とが“自分のキライなもの”を言い合うシーンがあって、そこにふたりの性格がにじみでているのであらためて分析してみよう。
◆中村慎森のキライなもの
「犬派ですか?猫派ですか?って聞かれるよりキライ」
「お休みの日は何してるんですか?って聞かれるよりキライ」
「椅子に座って
ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第4話の感想/分析】 ひとりだと渡れない横断歩道をふたりなら渡れる理由
大豆田とわ子と親友のかごめは小学生の頃からの幼なじみで、ふたりでマンガを共作していたという。ふたりは“空野みじん子”という共同ペンネームを名乗っていて、りぼんを愛読し、一条ゆかり先生や岡田あーみん先生に憧れていた。
ふたりが40歳前後だとして10歳の頃のエピソードだとすると、1991年前後、つまりそれは“りぼんの黄金時代”にあたる。なつかしき90年代のりぼん。一条ゆかりはもうその時点ですでに大御所
ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第3話の感想/分析】 時を巻き戻し“歩んできた行程”を見せる物語
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『大豆田とわ子と三人の元夫』を3話まで見たが、3回とも終盤にさしかかると急にぐっときて泣けてくるのだが、でも自分が何に感動してるのかいまいちよくわからないでいた。
なんでだろうと原因を考えてみたら、たぶん“時間の奥ゆき”のせいなんだと思う。そこを見せられたから、感動するんだと思う。
“歩んできた行程”を見せる物語第一話で、大豆田とわ子は開かなくなったパソコ
ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第2話の感想/分析】 いちごタルトと“吹っ飛んだふとん”の共通性
他の人からしたら記憶に残りもしないささいな瞬間の出来事であっても、それがある人にとっては人生の方向性を決定的に変えてしまう“分岐点”になったりすることがある。このドラマの脚本家、坂元裕二は“そういう瞬間”を抜き出そうとする作家だ。
でもその“出来事”は、往々にしてあまりに突拍子がなくて論理的にも破綻をしていることが多いので、たくさんの人が視聴するテレビドラマのようなものでは取り上げにくい場面なの
ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」【第1話の感想/分析】 “幸せになることを諦めません”けど、「幸せって何だろう?」という旅
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脚本家・坂元裕二による新作オリジナルテレビドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』は、これまでありそうでなかった、独特の空気感に包まれた変わったドラマだ。見終えてすごく好き!面白い!って思ったのに、言葉で表そうとすると「どこかどう面白かったのか」なんだか文章にしにくい。カテゴライズも難しくて、恋愛ドラマとも呼べないし、キャリアウーマンドラマでもない。笑えるシーンが