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「鳥の風呂」とは?

私のハンドルネーム「鳥の風呂」の由来について簡単に紹介させていただきたい。
「鳥の風呂」とは、私の地元である広島県尾道市にあるバス停の名前である。尾道市の南北軸を走るバスには、大まかに3つのメインルートが存在する。西側から①桜土手経由、②栗原本通経由、③長江経由がそれである。鳥の風呂はこのメインルートのいずれにもあたらず、③長江経由のさらに東側、久保という地区を経由するバス路線が停車する(画像1)。

画像1:尾道のバス路線のルート概略図
(地理院地図を加工して作成)

メインルートでないうえに、経由する道は急な崖に通したものであり、道幅が非常に狭くなっている。そのためか、バスの本数は僅少であり、一日1往復、平日のみの運行しか存在しない。その時間も、なんとも使いづらいものである(画像2)。

画像2:鳥の風呂のバス停時刻表
(おのみちバス公式サイトより引用)

では、なぜこのバス路線は存在しているのだろうか?この路線は、普段は③長江地区を経由する、三美園線の一部で、その別地区経由扱いの路線となっている。三美園線は駅と団地を結ぶ路線であり、それぞれ(特に団地側)に満足な操車場がないことから、基本的に終点に到着したバスがすぐに折り返すダイヤであることが読み取れる(画像3)。

画像3:長江経由各線の時刻表
(おのみちバス公式サイトより引用)

これを踏まえると、8:50始発のの尾道駅行きは朝ラッシュの輸送を終えて、三美園に8:40に到着したバスがそのまま折り返していると考えてよいと思う。一方で謎なのは、11:50に三美園に到着するバスである。この後に三美園を発車するバスは12:35発のものであるが、これは12:30三美園着のバスの折り返しと考えたほうが自然である。これに関しては、現地検証が必要だろう。ただ、恐らく、単に回送されているだけだとは思う。
結論としては、明らかに運行しづらい久保地区ではあるが、廃止するのも面倒であるので、ラッシュ終了後のバスをひとまず運行させている免許維持路線の一つだろうと考える。

ちなみに、「鳥の風呂」というバス停の名前はどこから来ているのだろうか?
これは、尾道市のローカル新聞『山陽日日新聞』(現在は廃刊、岡山市を拠点とする『山陽新聞』とは異なる。事実上の後継に『尾道新聞』)が取り上げている。当該記事を、許諾を得た上で転載しているサイトがあるので、紹介しておきたい[1]。内容をまとめると、「風呂」とはたたら製鉄に使う炉のことであり、たたら製鉄の盛んだった中国山地によく見られる地名であるが、「鳥」に関しては不明であるということだった。

画像4:バス停「鳥の風呂」とその周辺


【参考文献・リンク】
[1] 「防地町『鳥の風呂』とは」『山陽日日新聞』(2012年8月30日)の記事から転載. 2024年1月8日閲覧. https://www.tabisanpo.com/MENU/sannichi2012/20120830a.htm 

【画像出典】
画像1:地理院地図を加工して作成
画像2:おのみちバス公式サイト(2024年1月8日閲覧, https://onomichibus.jp/wpcms/wp-content/uploads/2022/01/6f533b6f24325a494fccb2fe78f0d62f.pdf
画像3:おのみちバス公式サイト(2024年1月8日閲覧, https://onomichibus.jp/wpcms/wp-content/uploads/2022/02/nagae-line.pdf
画像4:筆者が撮影(2023年9月)

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