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#4 函館・久生十蘭の聖地巡礼

函館へ行ってきた。小説家・久生十蘭(本名 阿部正雄1902-1957)の出身地であり、彼がどんな景色を見たのか、どんな思いで過ごしてたのか知りたくてね。移動手段は飛行機、寝てたら着いたので案外近いもんですね🛩

機内から見えてしまった五稜郭

※下記より久生十蘭のことを「まさお」と呼びますが、親しみを込めてです。
めちゃくちゃ尊敬してます。あと堅苦しさをなくすためです、よろしく。

聖地巡礼と言っても生家は残ってない。本籍地や住んでいたであろう界隈を巡って、函館市文学館へ行き、勤めていた函館新聞社へ行くくらいしかできませんでした。ネットや資料を調べて行ったのでまさおと本当にゆかりがあるのかは曖昧です、あまり参考にしない方が良いかも☺️

カフェか?なんやなんやシャレとるな!と思って近付いたら普通に会社でした。まじか

・十字街
まさおの作品に「十字街」というまさにドンピシャなタイトルがあるものの舞台はなんとフランス(????)なんですなぁ。敢えて、なのか?函館の十字街と何か掛けてるのか?謎すぎ。しかし十字街、旧函館区公会堂やレンガ倉庫が近いこともあってモダンな建物が並ぶ。絶対まさおここに居た。ここ歩いた!と思いながらベタベタと歩きました。ちょうど海と山の中間地点って感じですね。右に行けば海、左に行けば山。(JR函館駅下車、市電で十字街へ向かった場合)

亀ちゃんが目的じゃなくてごめんね

・亀井勝一郎生誕の地
まさおは亀井勝一郎のお隣さんだったらしい、ということはこの生誕の地の界隈にまさおの家があったという事でこの近辺を幼いまさおが走っていたのではと推測。教会が多く、神社もあった。亀井勝一郎曰く教会や神社が遊び場だったらしい。坂の上にある神社から見下ろす海はとても奥行きがあって絵のよう、少し懐かしい懐かしい気持ちになりました。地面をベタベタと触る

・函館市文学館
函館ゆかりの作家の資料を所蔵し、特に石川啄木のコーナーが充実していた。
(石川は盛岡出身だが、函館に居た頃の知人友人が彼の遺品を回収しここに所蔵されるに至った経緯がある)まさおのコーナーには書簡や処女作「金狼」初連載された当時の雑誌、愛用の麻雀牌セットなどがありました、感無量だね😂初めて見る写真もありました、やはりイケメンですね。解説員の方がお声かけ下さり、まさおについて本当に沢山お話を聞かせていただきとても楽しい時間が過ごせました。2022年に開催された久生十蘭展に行けなかったとお伝えしたら、当時のDMと講演会の案内をわざわざ持ってきてくださりました。私にとってこれはDMではない、紙ではないのだ、お気持ちがとても嬉しかったです。DMの裏は白紙かと思いきやまさおの年譜になってた、よくわかってらっしゃる!!!

・ハリストリス正教会
通称ガンガン寺、まさおの書いた本に「ガンガン寺」が出てきた気がする。
この教会については#3「函館・十字街エリア教会群」に記載しているので割愛

建物が新しくまさおが勤めていた建物ではないし元々この場所にあったかも謎。一応行ってみた

・函館新聞社
函館中学の先輩長谷川海太郎の父の経営する函館新聞社に18〜26歳まで新聞記者として勤めていた経緯あり。五稜郭から割と近く、住宅街に近い場所に立っていた。おそらく昔は倉庫が並んだ土地だったのではないか、現在も物流倉庫が多く、新しい今風の家も多かったので倉庫の土地を売ってできたものと思われる。こういうのは歩いてみにゃわからんことだよ。こじんまりとしてレンガ壁のハイカラなビルでした、今はビルの裏に印刷工場が併設されている。もしかしたら働き方自体が今のように建物内で記事を書いてたスタイルではなかったかも?情報がなくて分かりません。夕日をバックに輝く函新を眺めながら「まさおは、社内恋愛なんか…したのかしら」「昼飯とかここに食堂があって食べたの?それとも当時はこの近くに食堂やらうどん屋やらあったのかしら」とかなり生活に密着した生々しい想像をした。同人誌が描けそうだ

亀ちゃん生誕の地への道すがら、左に見えるのはカトリック元町教会

まとめ
函館大好きだよ。現地住まいの方には申し訳ないのですが、当時のまさおの視点になって十字街からJR函館駅方面に歩いてみると何もないのね。私が生まれ育った場所にそっくり、何もないのね。今でこそ重要文化財やモダンな建物があるけど、まさおが生きてた当時はなんというか、本州に比べるともちろん洋物があってハイカラではあったんだろうけどやっぱり退屈だったのかもと思った。そこで東京に行きたいってならないのがまさおらしくて(一旦行くけれど)海外に行っちゃうんだよね。あと幼少期のおしっこ事件が彼の中で黒いシミのように残ってなかなか帰ってこれなかったのではと推測する、帰りたくても忌まわしいあの出来事を思い出してしまうから、それで帰るに帰れなかったんじゃないだろうか。っていうか、おしっこ事件(授業中にまさおがおしっこに行きたいと言ったら教師にここでしろと言われてバケツにおしっこをした。なんやかやあって退学させられた事件)について、私は教師より断然まさおが好きなので完全にまさおの肩持ちますけど、フツーに虐待じゃね?私でもそんなん言われたら教室内でおしっこするわ!!!撒き散らしてやるよ、漏らせというのか?!!??と時を超えて憤ります😤
そうそう、こういうことをね聖地巡礼を通して思ったりしたんです。実際にまさおが何を感じたか、どう思っていたかなんて誰にもわからないし確かめようがない。でもこうかな、ああかな、こうだったんじゃないかなって思いを巡らすのは楽しいし、より彼に近づけたように感じて嬉しいですね。

たまたま入ったカフェに雪の積もった十字街の教会近辺の写真がありました。寒いのは苦手だし、雪に降られると飛行機の遅延や店の臨時休業が懸念されるけど、雪化粧をした函館も見てみたいなぁ⛄️

未定ですけど、次回はまさおの墓地がある鎌倉へ巡礼に行きたいです。ぜってー行くし!

施設概要
・函館市文学館
函館にゆかりのある作家の資料が所蔵してあります、2階は石川啄木メイン。
休館日は公式サイトをご確認ください。
利用時間 4-10月は9-19時、11-3月は9-17時まで
時期によって特別展の開催あり

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