スナック小噺①
スナックのお客さんとした、究極の選択の話。
私はスナックでバイトをしている。
優しいママのもとでカウンター越しにお客さんとお話をしたりお酒を作ったりする業務内容なので自分の身を削ってる感覚はあまりなく、ただ楽しく働いている。
その日は珍しく若い団体のお客さんがいらっしゃった。
そのうちの1人が私が歯学部ということもあってか歯に関連する話をして下さった。
ニッキューナナの峯さんみたいな人だったな。
私は峯さんが結構好きです。
虫歯ある人と歯並び悪い人ならどっちがいい?みたいな他愛もない「究極の質問」みたいな話をしていた。
彼が
じゃあ、
銀歯2本と金歯4本入ってる人、付き合うならどっち?
なぬ。
今までの究極の選択で1番悩ましかった。
前者は銀歯2本、つまり虫歯が2本。
後者は金歯4本ということは虫歯が4本。
でも両方とも虫歯がある、ことには変わりがないけども2本と4本はだいぶ違う。
歯とは一生生え変わらない、故に虫歯2本くらいなくもない話である。
銀歯2本男が「某は、1日3回歯磨きを欠かしたことはないのでござるが、虫歯が出来やすい体質なので候〜。」
と言い訳すれば、情状酌量の余地はある。
しかし、金歯の方が銀歯より高価という事実も無視できない。
2本多いかつちょっと奮発して金歯にしてみようという遊び心と懐の余裕、
覆水盆に返らないのならば新しいワインを注げば良いじゃないか、的な斬新な気概も、
評価の余地がある。
でもそいつは虫歯4本を放置するような
たわけなのである。
えーーー、どっちもどっちじゃーん。
私のスーパーコンピューターが弾き出した結論は。
私はこう答えた。
「金歯4本の男と付き合って私が差し替えます。」
面白い男が好きだから。
でも虫歯はない方がいいです。
歯科医師免許取らなきゃな。
年末年始思ったよりもだらけてしまった。
バイトは楽しいので入りつつ1月は架空の金歯男を治療するかもしれない未来のためにクソ勉強しようと思う。
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