かわいい私とブスな私
今日は今年で一番かわいい私だった。
バッチリ化粧だってきまってたし、昨日買ったカラーコンタクトは天才的だったし、お気に入りの香水をつけるのも忘れなかった。極めつけには、美容院に行って髪を切ったら大優勝を決め込むかわいい私のできあがり。他にも、セルフネイルを美容師さんに褒められたり、新しいアロマオイルを買ったり、大好きな人の配信を見て、とにかく私のこの一年で一番かわいかった。
でも、こうしてアルコールを飲みながらパソコンに向かってる私は、とてつもなく不細工で、悲しい気持ちになる。昼間にはバッチリ二重だった目はチベットスナギツネだし、こんな私が大好きな人のファンを名乗っていいのだろうかとか、まあいろいろ考えてしまって、とにかく不細工なのだ。
昼間に褒められたかわいい指先と、SNSでバズったかわいい部屋着が私のことを馬鹿にしてくるようで、まだあなたはかわいいよって見方でいてくれて。
そもそもなんで私のことをかわいいって言ってくれるのは、私しかいないんだろう。自己肯定感があまりにも保てなくなると、ゴリゴリに加工した写真をマッチングアプリに載せて自己肯定感を保ってる。そうすると『かわいいね』って知らない人が言ってくれるから。
誰かに認めてほしくて、見てほしくて、見つけてほしくて。人間らしいそんな自分がめちゃくちゃ気持ち悪くて。気持ち悪い私は、不細工で。
多分、どんなにかわいい私でも、その気持ちを心の奥底でくすぶらせてる私は不細工なんだろうな。
でも、私が私をかわいいって言ってあげなきゃ誰も言ってくれないから。今日もニコニコしながら、かわいいなって鏡の中の私に向かって伝える。私だけがどれだけ不細工でも私を優しく包んであげられるから。
明日も見方でいてあげるからね。だからせめて私がかわいいって思えるような私でいてね。