見出し画像

この記憶は夢じゃない (バリ旅行記:後編)

※この記事には前編があります。未読の方はこちらから先にご覧ください。

◆3日目  〜知見〜

朝からプールに入り浸る。ウブドのホテルは今日で最後なので、未練がましく景色を目に焼き付けたりプールを何周もしたりする。

画像1

チェックアウトしてレギャンへ向かう。車からいろんなものを見たし、それらについてガイドさんがいろいろと教えてくれた。

・ウブド周辺の学校(高校?)は周りに広い歩道がほとんどないことからバイク(原付?)での通学を許可されていること。確かに通りすがりの学生のほとんどは当たり前のようにバイクを乗りこなしていた。

・中学校の女子は髪型をおさげにすることが校則で決まっていること。見かけた女子中学生の制服はスマイルプリキュア!の制服デザインと似ていた。

・お葬式の列にもすれ違った。黒ベースに金の飾りがついた、ゾウのような生き物の大きな山車が鎮座していた。警察の人が複数いたので見張りをしているのかと思ったら、警察官のお葬式ということで集まっているらしい。

画像2

道路の写真が無いので前日のウブド市街の写真を載せます。わかりにくけど歩道がかなり狭い上に、目の前がすぐバイク置き場になっている。

無事レギャンのホテルに到着。チェックインして部屋に入れるまではまだ時間があったので、何度か訪れたおいしい中華のお店でランチにする。ここはお粥がとても有名で、トリップアドバイザーなどの口コミサイトでもかなり評価が高い。

画像3

画像4

蟹のお粥と付け合わせの揚げパン、エビのガーリック蒸しを頼んだ。お粥は蟹の濃い旨味が全体に行き渡っていて食べ応えがある。後半は揚げパンにつけて食べると美味しく食べ切れる。エビも素晴らしかった。残った油と揚げパンの組み合わせは、想像通りの幸せな味がした。

画像5

画像6

満足してたらいい時間になったのでホテルの部屋へ戻る。ちょうどアカデミー賞が発表されたばかりで、部屋のテレビでCNNをつけたらパラサイトやポン・ジュノ監督の話題で盛り上がっていた。

画像7

この部屋でまたのんびりする。テレビをザッピングしてたら「ビッグ」という映画がやっていた。母お気に入りの映画だと知る。最後まで2人で観ていた。

夕方になってビーチへ行ってみる。レギャン周辺はきれいな夕日が見られることで有名なのだが、雨季ということもありずっと曇り空だった。ビーチには出店が多く、あちこちに置いてある店所有の四角いソファに座ると注文を取りに人が来るので何か頼む。いつも母はビンタンビール、わたしはコーラ。

画像8

ぼんやり空を眺めていたら、店員の男性2人に絡まれる。写真撮ろうか?200万ルピア(約15,100円)でね!みたいなことを言ってきたので母がNO!と強く言ったら、ジョークだよ!ほんとほんと!みたいに言ってきた。何度も謝ってくるのでカメラを渡して写真を撮ってもらう。お金は請求されなかった。

店員の1人がわたしに年齢を聞いてくるので27だと答えたら、Me Too!と言ってわたしとハイタッチをした。当たり前だけど、同い年でも生活は全く違うものになるんだなと思った。いろいろなことを考えていたらいつの間にか日が沈んでいた。

画像9

さっきの店員とはビールとコーラで10万ルピア(約755円)で会計をした。後から考えたらだいぶ高かった。

移動して晩ごはん。外に面した席で食べていたら「茅ヶ崎」と書かれたシャツのおじさんに話しかけられた。現地の方で、レンボンガン島でずっと日本人向けにツアーをしているとか、娘が日本に住んでるとか(茅ヶ崎に住んでるのか聞けばよかった)、いろいろな話をした。レンボンガン島はバリの東側にある島で、次は是非そこに行きたいという会話をした。

画像10

この日はいろいろなことがあったなと思いながら寝る。

◆4日目  〜神対応〜

今日の深夜便で帰国する。

朝ごはんを食べ過ぎてしまった。プールでぼんやりしてからチェックアウトし、荷物を預かってもらってまたプール。ここはウブドのプールとは違ってビーチの近くにあるので、水につかりながら波の音を聞いて何時間か過ごすことができる。

しばらく経った後、お土産を買いに大きいスーパーへ行こうという話になる。母が見つけ出してくれたスーパーを調べていたら、なんとわたし達が来る1ヶ月程前に火事が起きて営業を停止しているらしいのだ。フロントで聞いてみようと思い、プールから出て着替えなどの準備を済ませる。スタッフの方が、車で15分程の場所に新しめのがあるよとメモに書いて教えてくれた。

早速ホテルからタクシーを呼んでもらって移動。ところが運転手さんの挙動がちょっとおかしい。運転しながらスマホのGoogle マップを何回も確認している。ちょっと不安になりわたしもマップを調べたら、なんとスーパーとは反対方向にズンズン進んでいた。

画像11

画像12

神対応が前を走っていた。

とりあえずExcuse meと声をかけると、運転手さんはアクセルを踏んだまま顔をこちらに向けて答えてきた。てっきり前を向いたまま反応してくれるのかと思ったわたしはめちゃくちゃ焦って、母と2人でNOを連呼して前に向かせる。この間運転手さんはずっとニコニコしていた。赤信号のタイミングでまた声をかけ、マップを見せながら道が違っていることを知らせたが、運転手さんはニコニコしながら「合ってるよ!」みたいな返しをしてくる。

何度か会話して分かったのは、フロントの方が教えてくれたスーパーは2店舗あり、当初の目的地のスーパーはつい最近できたということ、そして運転手さんはそれを知らず古い方の店舗にタクシーを走らせているということ。

今から新しい方に戻るのは時間もかかるので、古い店舗にそのまま向かってもらう。着いた時、わたしは色々問いただして料金を余分に払う意思は無いと伝えたかったのだが、母がさっさと現金を渡してしまったので叶わなかった。母からしたら、さっさと降りて安心したい気持ちもあったのだろう。わたしも疲れてしまったのですぐに車を降りた。運転手さんにはわたし達が戻るまで外で待ってもらうことにした。

スーパーは広く、わたし達はそれぞれ職場でばらまく用のお菓子を買った。外に戻り運転手さんに声をかけてホテルへ戻る。フロントを通して運転手さんへのクレームを伝えた。本当は本人に直接言えばよかったのかもしれないけど、母と話してホテル側にも伝えたほうがいいかもという結論になった。

いつの間にか日没が近くなってたので、歩いてビーチに移動して夕日のリベンジ。この日も雲が厚くてきれいな夕日とまではいかなかったけど、まあいいかということで昨日とは違う場所でビールとコーラを頼み、浜辺を眺める。

画像13

画像14

この日はビーチに弾き語りのステージがあった。

画像15

画像16

バリで見る最後の夕日という実感が湧かない。

すっかり日も沈んだので、最後にスパでクリームバス(クリーム状の気持ちいいシャンプー)をしてもらいに行く。なぜかシャワーが冷水だったけど、店員さんとのんびり話ができた。わたしと母はとても似ていると言われた。ちなみにわたしはよく"Student?"と聞かれる。

ホテルに戻って空港の送迎タクシーに乗る。空港へ着き、ガイドさんとお別れ。

画像18

画像17

最後に何か無いかと思って撮った広告。

ラウンジで晩ごはんや仮眠を済ませる。機内でしっかり目に寝た後、起きてiPhoneに保存していた数週間分のポケモンを観た。カイリューはとても可愛い。

◆5日目  〜夢現〜

着いちゃった。

画像19

空港で母と別れる。わたしは荷物を持ってぼんやりと帰路に着く。車内にWi-FiがあったのでTVerでプリキュア、Youtubeでポケモンを観た。

家につき、お風呂を沸かして入る。荷ほどきをしなきゃと思いながら出て、部屋着に着替えて何も動けないまま数時間寝た。

目が覚める。24時間前はタクシーでやばい目にあってたなとか、ビーチで曇り空の夕日を観ていたなとか考える。今自分がいる場所は紛れもなく日常の一部で、数日前に見聞きしたものは夢だったんじゃないかという気に早速とらわれている。とりあえず明日から仕事なので、散らかった部屋を片付けたり平日ということで役所の用事を済ませたりしていた。なんだか疲れが取れないので銭湯に行ったら、少しだけ明日からのモチベーションが出てきた。

そういうわけで旅は終わり、わたしは次の旅に向けて働くことに戻ってきた。

画像20


(バリ島旅行記2020.02 おしまい)




嬉しく思います