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誰でもできるホームシアター入門 #3

第3話 大きいことはいいことだ?

登場人物
A美:映画好きな主人公。自宅で楽しめるホームシアターに憧れている。
B子:A美の友人でアニメオタク。ホームシアター好きというわけではないが映画館にはよく行く。
X氏:ほどほどに著名なAVライター。変人。
Z氏:X氏がいつもいる喫茶店の店主。詳細不明。

B子:今日は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の話をしにきたよ。
A美:違うでしょっ!
X氏:ガンダムと聞いては、黙ってはいられんな。
B子:ガンダムって、40年以上も前のアニメでしょ。だから私らには関係ないかと思ってたけど。ハサウェイは良かった。
X氏:ほうほう。まさに40年前のアニメの1年戦争から続く話で、『機動戦士ガンダム』に『機動戦士Zガンダム』、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』くらいは最低見ておくべき作品なんだが、それが面白かった、と。
B子:ハサウェイ以外全部見てないけど、あらすじくらいは知ってる。面白かったのはそういうとこじゃなくて!
X氏:ハサウェイがカッコいいとか? 彼はすでに壊れてるぞ。
B子:うん、書類のサインがヤベー。3つある「A」が全部違う書き方。あれはゾッとした。でも、なにか共感するところはある。大きな戦争が終わって今は平和なんだけど、いろいろな問題が未解決のままで行き詰まっている。現代と同じわけじゃないけど、問題を解決するために過激なことをしなくちゃいけないと思う気持ちはわかる。私はしないけどね。
X氏:したら犯罪者だよ。彼はもう壊れているからそういう選択をしてしまったけど、冷静に考えたらやらないな。とはいえ、まだ若い人達が革命を起こそうとか、テロという手段を用いても現状を打破しようなんて思想に影響を受ける気持ちはわかる。そこに憧れるのなら、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を見た方がいい。
B子:いやいや、ハサウェイの今後は気になるけど、面白かったのはそこじゃない。
X氏;というと?
B子:モビルスーツがでかかった!
X氏:いいね。あの作品の一番いいところはそこだよ。
B子:モビルスーツって、20mくらいだっけ? 10階建てのマンションよりちょっと小さい感じ? そのサイズの人型ロボットが動き回るって凄いことだよね。
X氏:10階建てのマンションは建物の高さが31m以下のものが多いから、だいたい合ってる。ハサウェイの時代のモビルスーツはメッサーとかグスタフ・カールが23mとか22m、ペーネロペーが32.5mだから少し高い感じか。
B子:モビルスーツの名前とか全然わからないけど、よく覚えてるね。
X氏:一般常識。
B子:絶対、嘘。それはともかく、そんな大きな巨人が動いていて、その足元に人が居る場面はあれはもうパニック映画だよね。私だって泣きわめく。
X氏:建物とかの高さやモビルスーツの高さを正確に再現したという話もきくし、かなりリアリティーのある巨大さだったな。
B子:ビームサーベルだっけ? 花火みたいにバチバチ火花が飛んでて、森の中が燃え上がるし、戦争映画とはちょっと違うけど、凄い怖いシーンだった。
X氏:モビルスーツをぶった切ったりしてもロボットアニメなら当然だけど、ああいうシーンを見ると巨大さとか怖さがよく伝わる。確かにモビルスーツの描き方は今までのガンダムとは違うリアルな怖さと迫力があった。
A美:ハサウェイの話じゃなくて。横浜で見た実物大ガンダムの話でしょ。
B子:そうそう! 彼氏と一緒に横浜のガンダム見に行ったんだけど、すげーデカイなって。それで新しいガンダムの映画(「閃光のハサウェイ」)見てみたら、映画の中でもでかくてビビった。
X氏:実物大ガンダムは最初は東京のお台場で、横浜のガンダムは支え付きだけど実際に歩いたり動くね。福岡にはνガンダムがあったり、続々と登場している。これは僕の私見だが、実物大ガンダムが「閃光のハサウェイ」の映像にも影響を与えたと思うね。実物大を見ると、その動き方とか、実際に市街地で戦闘したらどうなるか、とか、いろいろと具体的なイメージが湧くと思うし、作り手としてはやってみたくなるだろうね。
B子:ぶっちゃけ、絶対にこんなサイズのモビルスーツは実用化できないとも思ったけど。それが実際に動いたらもう大変なことになるのも実感できた。宇宙世紀?の人類はこんなので戦争やるとかバカみたい。
X氏:身長57mとかでもないし、スーパーロボットとしては比較的現実的なサイズなんだが・・・。それに現実の戦闘機も全長は20m近いサイズだから、決して非現実的ではない。ロボットはどうかと思うけど、そこはフィクションだし、ロマンだから。
B子;そういう男の感覚はイマイチ理解できない。
X氏:さておき、あの巨大さを感じる映像というのは、ガンダムだけでなくロボットアニメとして、高く評価したいね。
A美:でも、うちのパソコンで見ても、その巨大さはわかるけど、迫力や怖さはイマイチ感じられなかったんですよ。
X氏:A美さんは実物大ガンダムは見ていない?
A美:見てないです。
X氏:あー。それはそうかもね。実物大ガンダムを見ていると、実際の大きさがリアルに体感できるから、ハサウェイの映像の凄さも伝わりやすいんだけど。まあ、「ハサウェイ」は第2作がこれから制作されるし、その時には第1作の再上映もあるかもしれないから、大きなスクリーンの劇場で見ればいいと思うよ。
A美:そこなんですよ。映画館のような迫力を味わうなら、家でも大画面のテレビがあった方がいいんですか。
X氏:たしかにデカい画面の方が迫力はある。これは間違いない。65型とか75型が入るならね。
A美:そんなに大きいのはちょっと・・・。40型くらいの大きさじゃダメでしょうか?
X氏:ダメってことはないけれど、家に入れてみると思ったよりも大きくないよ。40型。
B子:そうなの? タブレット見慣れてると、十分大きい気がするけど。
X氏:経験上、40型とか50型くらいの大きさはすぐに慣れる。1週間もすると、小さくはないけど大きいって感じはしなくなる。これが面白いんだけど、60型を超えるといつ見てもデカいって感じがある。映画館のような大画面をイメージするならば、それくらいのサイズは必要になるかな。

A美とB子、ふたりで顔を見合わせる。

B子:60型は無理だよねえ。
A美:うちのマンションに入るかどうか心配。そもそもそんな大金はないです。
X氏:そんなものは、実際のサイズをメーカーのホームページで調べて測ってみればいい。部屋のドアとかエレベーターに乗るとかも確認するといい。よほど古い建物でもない限り、最近は問題なく搬入できるようだがね。
まあ、大画面は映画館に行けばいいんじゃないかな。画面も大きいし音響もいい。好きな映画ほど映画館で見ておいた方がいいと思うよ。
B子:あんまし行かないね、映画館。
A美:B子は彼氏がよく連れていってくれるじゃない。
B子:アニメばっかしだし、それはいいとしても割り勘だし。
X氏:何十万もする大画面テレビか、1800円の映画館か、どっちが高いかはその人次第だから。
A美:はあ。
X氏:まあ、仮にスマホの画面でも、大画面と感じる方法はある。
B子:マジ?
A美:本当ですか!?
X氏:画面に近づけばよろしい。
A美&B子:はあ?

第3話 了


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