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『負けたくないから頑張る』というゲーマーは破綻します

僕は格闘ゲームの全国大会に出場した経験があるが、絶対に負けないコツを極めているので、
ストリートファイター6であの有名なウメハラにも負けた事がない。

この記事を読んでいるあなたは、きっと僕と同じく『スプラトゥーンが上手くなりたい!』と思っているはず。

しかし、上手くなりたい理由が『負けたくないから』ならば、その考えを直さないと限界が必ず訪れます。

ゲームで無敗になるには、辞めるしか方法がないからです。

絶対に負けないコツとは「やらない・辞める」こと。

良く考えてみてください。

あなたがスプラトゥーンが上手くなりたい動機は、「負けたくない(=勝ちたい)」より、
今よりもっと楽しみたい」気持ちの方が大きいはず。

しかし、上手くなる(=もっと楽しむ)ための方法として
『負けたくないから、楽しくない経験に耐える』という矛盾した努力をしているプレイヤーが多い。

そういうプレイヤーが多いから、解説動画も、上手くなるコツとして「楽しくない経験に耐える」のが当たり前という前提で指導をする・・という負のループになっている。


『上手くなる為のプレイ』と『上手いプレイ』は別

サーモランのバチコンで毎回上位表彰されているガンジーさん(※1)は、

『"上手いプレイ" と "上手くなる為のプレイ" は別』と言っている。

簡単に言うと、
・上手いプレイ=クリア&生存重視
・上手くなる為のプレイ=納品数重視(乱獲)

ミスを減らそうとする「上手いプレイ」より、金イクラを限界まで入れる積極的な「上手くなる為のプレイ」の方が、
ミスは増えるものの上達スピードは早い。といった内容(ちょっと違うかも)

詳しい内容は下記の動画の18:20秒あたりから見てほしい。

※1 ガンジーさんは世界で最もサーモランが上手いプレイヤーだと思っている。

これはサーモンが上手くなる上で本当にその通りだと思うし、対人でも全く同じことが言える

上手いプレイをするより、上手くなる為のプレイをする方が上達が早い・・と言うより、
「上手くなる為のプレイ」をしないと、ある一定のプレイ時間を越えると上達が止まってしまうようにさえ感じる。

上手くなる為のプレイが大事な理由

上手くなるとは、「今の自分には出来ない事が出来るようになる」こと。

つまり、今の自分が出来ないこと・苦手なことを積極的にプレイするのがとても大事。
しかし、試合中にそれをやると、当然ミスは増える。

たとえば、視野を広くする=目の前の敵に集中しすぎない事だ。

試合に勝つのを意識すると、目の前の敵の処理が最優先なので、視野を広げる練習にはならない。

だから、視野を広げるための第一歩は、「試合の勝敗に執着しない」ことだ。

上手くなるには「負け」を避けられない。負けを避けようとすると、上達スピードが落ちる。

楽しむを忘れたゲーマーは破綻する

ゲームは『楽しいから、負けても頑張れる』

逆に、楽しくないゲームで負けるとやる気をなくす。

「楽しい」を忘れたゲーマーは、負けを恐れて"上手くなる為のプレイ"をする心の余裕がなくなる。

つまり、『負けたくない』という理由で頑張ってプレイすると「楽しくない・上達しない・負けたらやる気を無くす」道に進む。

その状態が年単位の長期間続くと沼にハマる。
そうして、楽しむ精神を忘れたプレイヤーは破綻する。

歴史の長い格ゲーのプロゲーマー達は、20年以上ゲームをプレイし、かつ常に上達し続けている。

彼らはプロであるにも関わらず、目の前の試合の勝敗にこだわりすぎず、「楽しむ」精神を常に忘れないよう心がけている。

若手にも負けず、衰えにも負けず20年以上に渡ってトッププレイヤーとして君臨しているのは「上手くなる為のプレイ」をし続けているからだ。

勝つことだけを考えて、破綻しちゃった選手を何人も見てきました。
結局楽しんでる選手が勝つんですよね。
(中略)
ワイワイしながら対戦していて、一見ストイックさが足りないように見えるのですが、それが神バランスだったりします。
勝ち続けている人は、そのバランスが感覚的に分かっているんだと思います。

勝つ為の努力と楽しむ為の努力は違う

僕は、過去のnote等で楽しむ為の努力(=自分なりの課題に取り組むこと)が大事と発信しているが、

その理由は、僕自身が楽しむのを忘れてプレイし続けてしまい、格ゲーを辞めた事があるからだ。

その経験から、上手くなる為のプレイが出来る「心の余裕」を常に持ち続けることが、対戦ゲームで最も大事であると学んだ。

ギネスブックにも載ったプロゲーマー、ウメハラさんはこう言っている。

「大舞台で勝負する時、『これで負けたら人生終わりだ』と必死になればアウト。強いヤツはみんなマイペースです。

努力が成果に結び付くかは分からなくても、マイペースで実力を付け、幅を広げていくこと。
たとえ負けても、一日一個の発見と成長があればいい。

『たとえ負けても、一日一個の発見と成長があれば良い。』と思ってプレイするのは、言うは易く行うは難し。

負けても『発見があった。成長を感じた』と思うのは、上手くなる為のプレイが出来ている証拠である。

一見、「上手いプレイをする為の努力」の方がストイックに思えるが、
楽しむ余裕を持って、上手くなる為のプレイをし続けるプレイヤーの方が、早いペースで上手く・強くなれる。

「負けても良いから楽しむ」のは初心者には簡単だが、上級者になればなるほど、難易度が上がる。相当な精神面での鍛錬が必要なのだ。

他人の成長と比較しない事・自分を責めない事が、楽しみ続ける上で大事だ。

下手だから負けたのではなく、「上手くなろうとしている」から負けたのだ。頑張っている自分を褒めよう。

苦しみに耐える理由は好きでないから

僕は20年前にバーチャファイターというゲームを5000時間くらいプレイしていた。

「常人では耐えれなくて逃げたくなるくらいの量の経験に耐えられる」ことが、そのゲームが好きな証だと、当時の僕は思っていた。

しかし、本当にそのゲームが好きなプレイヤーは「負けを"苦"としない」のだと、やめて(破綻)してから気付いた。

最強のプレイヤーは、誰よりも辛い体験に耐えられるのではなく、誰よりもそのゲームを楽しむ事が出来るのだ。

負けることが刺激にならないと長くは続けられないんですよ。
もし、格闘ゲームを余暇で楽しむだけのものにするのであれば、勝つことだけを求めていたのかもしれません。

『ゲームは楽しむのが大事』と発信する理由

楽しいと感じる基準は人それぞれで、スプラトゥーンは色んな楽しみ方がある。
他人の意見は「楽しそう!」と心踊るものだけ取り入れて、「つまらない」と思う意見は取り入れる必要はない。

格ゲーのプロゲーマーは、『格ゲーは楽しい!』という事を積極的に発信している。
その理由は、格ゲーの「プレイヤー数が少ない」という問題があると思う。

僕はバーチャファイターという格ゲーを過去に6年間やっていたが、
最盛期こそ盛り上がっていたものの、末期のユーザー数は現在(2023年10月)のスプラトゥーン2よりも少なかった。

みんなが対戦相手に餓えていたので、相手を批判する人など居なかったし、
自分より下手な人に『バーチャファイターは楽しいんだよ!』って事を伝えるのに、とにかくみんな必死だった。

格ゲーのプロ達は、プレイヤー数が少ない中で対戦ゲームを20年以上も続けているから、「対戦が出来る有り難み」を痛感している。

一方、プレイヤー数が多いスプラトゥーンでは、プロゲーマーがわざわざ『スプラトゥーンは楽しい!』という内容を発信する必要はなかった。

しかし、スプラトゥーン3においてユーザー離れが顕著に見て取れる。

だから、自分より上手くないプレイヤーに対して苦しみを伴いながらXPを上げる方法を教えるのではなく、
『スプラトゥーンは楽しいんだよ!』って事を積極的に伝えて欲しい気持ちがある。

6000時間プレイしても飽きない魅力を解説する事こそ、いま本当に【初心者必見】の動画だと思う。

僕はスプラトゥーンシリーズを5000時間くらいプレイしているが、やってきた事は
対人に飽きたらサーモン、サーモンに飽きたら対人・・の無限ループw

ウデマエが上がってこその「楽しい」ではなくて、
楽しんでいりゃウデマエ上がると思えたら、それがウデマエアップの序章です。

スプラ脳になったMr.Children

蛇足だけど、視野について書いたので、最後に一言付け足す。

上手くなるためにエイム練習を頑張っている人も多いと思うが、ハッキリ言えば、エイム練習は「視野を狭くする練習」になりがちなので注意が必要。

試し撃ち場はイカランプは表示されないし、敵が攻撃してこないので、目の前のバルーンに集中しやすいから。

もしエイム練習をやるのであれば、他の事を考えながらやるか、バルーン以外を見ながらするなど、実戦に近付ける(=視野を広げる)工夫をした方が良いと思う。

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