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(40)The Future of ‘Birds-first’ Breeding「人を近づけない?」

いつもありがとうございます。鳥爺です。 

2014年。私たちはスペイン・バルセロナのダウンタウンのロビーで待ち合わせをしました。
少し早く来ていただいた現地在住の日本人通訳のKさん。
そして、時間通りにお迎えに来てくださったシッタカス社の関係者2人。
時間通りと書いたのは、「スペイン人は時間にルーズ」と聞いていたので、多少遅れてくることは覚悟していたからです。
びっくりです。
しかもこの二人は、なんと社長とその奥様でした。
社長ご夫妻が自ら車を運転し、時間通りにお迎えに来ていただいたことに恐縮至極。

車を走らせること約1時間。最初に向かった場所は繁殖場です。
ヨウムの繁殖場はどこに行っても見学させてくれませんでした。あのスーザンさんのところでも。
なぜならほとんどのブリーダーさんが言うには、ヨウムはシャイなので知らない人が来ると繁殖を止めてしまう、とのこと。

しかし、ここ(シッタカス)では、見学をさせてくれます。
ただし条件がありました。カメラ撮影はしないでと。
初めてのヨウムの繁殖場の見学です。もちろん承諾しました。
カメラで撮影した記録は残りませんが、私の眼にしっかり記憶させるつもりです。

繁殖場は一部レンガ作りのとても素敵な建物でした。

社長さんのお父さんが以前牛の繁殖をしていて、そこを全面改装しヨウムの繁殖場にしたそうです。
日本の牛舎のイメージとは違いますね。

さて私たち繁殖場の頑丈そうな出入口ドアの前で、大きく深呼吸をし室内に入りました。
その瞬間、いろいろな「音」が聞こえてきます。
周囲を見ると壁には吸音材(防音材)が貼り廻らされています。

まずこの意味をガイドをしてくれている社長さんに聞きました。
音は、ヨウムの原産国のジャングルで録音した「音」だそうです。
その「音」には鳥、虫などの生き物の声を録音し、24時間ずっと流しているとのことでした。
24時間についても、朝の音、昼の音、夜の音という感じで、時間帯に応じた環境音を流しているそうです。
それらの「音」が屋外の「音」例えば車やサイレンなどに邪魔されないように吸音材(防音材)を貼ることで、より鮮明に現地の音を再現しているとのことでした。

どうですか?

私はいきなり頭を殴られたような衝撃でした。
今までの繁殖場は、このようなことをどこも行なっていませんでした。
その効果についてはきちんと検証しているそうで、何もしなかった頃に比べ、繁殖率は良くなったとのことでした。
今まで見学してきた、いや見学させてくれなかった繁殖場が、繁殖率を良くする方法は、「人を近づけない」でしたが、シッタカスでは「原産地の環境音を流す」という方法で繁殖率を上げていることがわかりました。

これだけで感心している場合ではありませんでした。
さらにこの後、驚くべき光栄を見ることになるのです。

(つづく)

今日も素敵な一日になりますように(^o^)/

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