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(24)鳥爺DJ奮闘記「もう一人のDJ」

いつもありがとうございます。鳥爺です。

ディスコの経営改革は、まずは従業員の意識改革からと思っていました。

しかし大久保くんと、入ったばかりで何も知らないアルバトの平くん以外は、全員辞めたいとのこと。しかも、もらっていない給料と退職金も要求されました。

「酒屋さんや八百屋さんに支払う金があるなら、俺たちに給料と退職金を払ってくださいよ」

従業員の訴えは当然です。もちろん、その訴えにはきちんと応じました。

しかし退職金は、、、と思いました。
なぜなら仕事中にお店のビールやお酒類は飲み放題、お客である女の子をナンパしていたことを自分の目で確認しました。
そのことを従業員たちに伝え、退職金は給料1ヶ月分を支払うことで納得してもらいました。

さて問題はもう一人のDJ、ハラ(仮名)くんです。

ハラくんは大久保くんとは違ったタイプで、DJに関してはかなりこだわりが強いがありました。
大久保くんがDJを担当するときは、女性が中心に楽しそうに踊っています。
しかしハラくんのときは、男性中心に動きの激しい、そして各自が競うように踊っていました。
当時ダンスミュージックのことは全くわかりませんでしたが、DJによってこんなに違いがあるのだ、ということだけはわかりました。

あとで教えてもらいましたが、大久保くんが流していた音楽はユーロビート系。
ハラくんが流していた音楽は、ヒップホップ系だそうです。

そのハラくんからこのようなことを言われました。

「退職金は入りません。その代わり、あの店をください」

あの店とはディスコの1/4くらいの大きさのカウンターバースタイルのクラブでした。
私の年代の人は、クラブというと女性が接客するお店をイメージしますが、ここで言うクラブはダンスができるお店のことです。
ダンスができるといっても、ディスコみたいな派手さはありません。
そう言う意味では、ハラくんのようなタイプにはぴったりかもしれません。
今問題になっているのはディスコのほうで、このクラブは経営的にも安定し、利益を生み出しています。

この店を買いたい、というならともかく、退職金代わりに欲しいと言われ、さすがの私もキレそうになりました。
しかしハラくんが辞めれば、ディスコにはDJが大久保くん一人になります。
またハラくんにもファンがたくさんいますので、ハラくんが辞めれば、来客は一気に減るでしょう。

混乱してきました。少し頭の整理をしてみます。

・ハラくんはディスコを辞めたい
・辞めるときにクラブを退職金代わりにほしい
・ハラくんが辞めたらDJは大久保くん一人になる
・ハラくんのファンがクラブに移ってしまう
・ディスコとクラブがライバルになる

頭を整理した結果、何もいいことはありません。
またまた混乱してきました。
こんなときどうしたらいいのか、誰に相談すればいいのでしょうか?

(つづく)

今日も素敵な一日になりますように(^o^)/

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