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英語長文読解の究極技…動詞がわかれば英文のすべてがわかる

英語は動詞だ!というのが私の持論です。

長文問題でも、動詞だけに注目することで、正確にすばやく意味を把握できます。

実際の大学入試の問題をもちいて実証してみましょう。

今日取り上げる問題は、次の英文から始まっています。

例題1:American sociologist George Ritzer argues that in the contemporary world the fast-food restaurant is more appropriate model for the influence of rationalization.

英語の長文を読むときは、その長文が何について書いてあるのかを、最初の段落、最初の文章で正しく認識することが重要です。

そのために最も有効な技が、英文中の動詞を見つけて、動詞を手がかりに文の構造を理解することです。

まず、例文に含まれる動詞を見つけます。

American sociologist George Ritzer argues that in the contemporary world the fast-food restaurant is more appropriate model for the influence of rationalization.

(1)1つの英文中に動詞は1つのはずです。
ところが例文には動詞が2つありました。
このことから、この例文は2つの文からできていることがわかります。

American sociologist George Ritzer argues 「that in the contemporary world the fast-food restaurant is more appropriate model for the influence of rationalization」.

動詞を見つけるだけで、この例文が、~がargue(主張している)+「~is…(…は~だ)」、という複文構造になっている(主文と従文とでできている)ことがわかるわけです。

動詞を見つけることで、文の構造を誤りなく正確に把握できるのです。

(2)動詞がわかれば英文全体の意味も正確に理解できます。

また、動詞によって、誤解の余地なく、その前と後はそれぞれ独立しており、別々に訳したらよいことがわかります。
この例文の意味は、「ある人が、何かが、何かであると、主張している」です。

骨組みが正確にわかり、最も大切な部分は正確に訳せたわけですから、それ以外は枝葉末節です。
自信をもって全文を訳すことができます。

American sociologist George Ritzer(アメリカの社会学者ジョージ・リッツァが) argues(主張している) 「that in the contemporary world(現代の世界では) the fast-food restaurant(ファーストフードのレストランは) is more appropriate model(より適切なモデルだ) for the influence of rationalization(合理化の影響を示すための)」.

『アメリカの社会学者ジョージ・リッツァが、現代の世界ではファーストフードのレストランは合理化の影響を示す他のものよりは適切なモデルだと主張しています。』

実際の大学入試問題は、「この英文を日本語に訳しなさい」という問題でした。
動詞だけに着目することで、楽にクリアできたのではないでしょうか?

もう一問の「日本語に訳しなさい」の問題は次の英文でした。

例題2:Enter a McDonald's anywhere in the world and not only will the menu be the same but you can guarantee that the french fries will be 9/32 of an inch thick and the hamburgers 3 3/4 inches in diameter.

ぱっと見ただけでは構造を把握しにくい文章です。

しかし、動詞を見つけたら一変します。

(私がここで「動詞」というとき、進行形(be動詞+ing)受け身(be動詞+過去分詞)完了形(have,has,had+過去分詞)助動詞+動詞(do,does,can,may,…+動詞)などは「動詞」と考えます。動名詞や不定詞、形容詞的に使われている現在分詞・過去分詞は「動詞」には含めません。)

Enter a McDonald's anywhere in the world and not only will the menu be the same but you can guarantee that the french fries will be 9/32 of an inch thick and the hamburgers 3 3/4 inches in diameter.

(1)まず、動詞を見つけることで、「1つの英文中に動詞は1つ」より、この英文が4つの文でできているという文の構造がわかり、一気に理解が容易になります。

「Enter a McDonald's anywhere in the world」+「and not only will the menu be the same」+「 but you can guarantee」+「that the french fries will be 9/32 of an inch thick and the hamburgers 3 3/4 inches in diameter.」

(2)あとは自信をもって訳すだけです。

Enter a McDonald's anywhere in the world(世界中のどこでもマクドナルドに入れば)」+「and not only will the menu be the same(メニューが同じであるだけではなくて)」+「 but you can guarantee(あなたは保証できる)」+「that the french fries(フライドポテトが) will be 9/32 of an inch thick(厚さが9/32インチで) and the hamburgers(ハンバーガーが) 3 3/4 inches in diameter(直径3と3/4インチであることを).」

『世界中のどこでもマクドナルドに入れば、メニューが同じであるだけではなくて、フライドポテトが厚さが9/32インチであることとハンバーガーが直径3と3/4インチであることをあなたは保証できるのだ。』

要点をまとめます。

(1)英語は動詞だ!

(2)動詞を見つけながら英文を読む(動詞に下線を引きながら読み進めます)。

このとき、進行形(be動詞+ing)、受け身(be動詞+過去分詞)、完了形(have,has,had+過去分詞)、助動詞+動詞 (do,does,can,may,…+動詞)などは「動詞」と考え、動名詞や不定詞、形容詞的に使われている現在分詞・過去分詞は「動詞」には含めまない。

(3)動詞の個数で、その英文が何個の文から構成されているかがわかる。

(4)動詞の前後は別のものだから、それぞれを切り離して意味を把握する。

(5)動詞さえ正確に訳出できれば、それ以外は枝葉末節だから、全文を自信をもって訳せばよい。

俊英塾代表。「塾学(じゅくがく)」「学道(がくどう)」の追究がライフワーク。隔月刊誌『塾ジャーナル』に「永遠に未完の塾学」を執筆中。関西私塾教育連盟理事長。