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むかしのあそび

「日本一田舎にある」と噂される大学に通っていた私たちは、エンターテイメントに飢えていた。

東京の大学生がカラオケやらライブやらフェスやらショッピングやらで青春を謳歌していたとき、私たちは田んぼに囲まれたキャンパスで退屈に打ち勝つべく、様々な新しい遊びをうみだしていた。

今日は、「今となっては何が面白かったのか分からないけど、当時は夢中だった遊び」をふと思い出したので書き留めておく。


①ガラケー閉じ

<やりかた>
折り畳み型の携帯電話を90度に開いて机に置く。みんなで少しずつ閉じていき、「パタンッ」ってなった人が負け。

補足:黒ひげ危機一髪さえも買えなかった悲しい大学生達が苦肉の策で編み出したゲーム。お酒が入れば、今でもギリギリ楽しめるかもしれない遊び。ただし、2021年現在、折り畳み式の携帯電話を持っている人を探し出す手間はものすごい。

②近所にある大きな杉の木を見に行く

だいたいMちゃんあたりが「今日、杉の木見に行くけどいく?」と言い出して始まる。みんなで10分程度自転車を走らせた後、小道を10程度歩いたところに杉の木はある。
「今日も大きいね。」
「見て!『触ると奇病にかかるという言い伝えがある』って書いてある。」
「こわっ」
「今度、ゼミの日『杉の木を触り、奇病にかかってしまいました。』で休もうかな。」
とか感想を述べあって帰る。滞在時間は10分未満。


③ウルトラ ファミレスクイズ! 
<やり方>
 出題者はファミレスメニューからカロリーの似た2品を読み上げる。回答者は、どちらがカロリーが高いのかを当てる。

 この遊びを通して学んだことは「チーズは思ったよりカロリーが高い」ということ。「『夕食を食べた店にそのまま居座り、朝食も食べること』はありうる。」ということ。


そういえば、小学1年生の頃は、「凍え死ぬテント」という遊びをしていた。
これは、「寒い冬の日に、戸外で、できるだけ薄着になり、家賃さえ払えないテントで暮らす家族を演じる」という、一体何が面白いのか今現在では全く分からない遊びである。
しかし、当時は、誰かが「凍え死ぬテントしよ~!」と、まるで「鬼ごっこしよ~!」のノリで言い出した時には、寒空の下、嬉々として薄着になり、テントで暮らす家族を演じていた。
子どものイマジネーション∞(インフィニティ)。

思い返すとここ数年、めっきり新しい遊びを生み出せていない。既存の遊びやエンターテイメントに頼りっきりだ。

いつからか「遊び」に生産性やファッション性を求めるようになってしまっている気もする。

みんな元気かな。コロナ禍でなかなか会えなくなってしまった友人も多くいる。
いつかまた、「ただ楽しい」という思いだけを尊重して遊べたら、この上なく嬉しい。

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