私と『安達としまむら』と戸森しるこさんの小説について

 
 私は読書が好きです。最近はまた児童文学やYAも読むようになりました。大人になってからだと子どもの頃とはまた違う視点で読むことができて面白いです。

 私が最近はまっているのは、この記事のタイトルにある戸森しるこさんという作家さんの本です。児童文学やYA、つまり小学生、中学生から読みやすい本を多く書かれている方です。

 戸森しるこさんの話をする前に、少し私自身の話をさせてください。

 私は小学校の高学年くらいから、あることで悩んでいました。それが何かはここには書きません。この記事を読んでいる方の中には、なんとなく察した方もいるかもしれませんがあまり深く追求しないでいただけると嬉しいです。それがあって、中学生の頃には、自分は生きていてはいけないのではないかと思うところまで追い詰められていました。

 そんな時、入間人間さんという方が書かれた『安達としまむら』という小説(ライトノベル)をたまたま手に取りました。

 『安達としまむら』は、安達としまむらという二人の女子高生の物語です。そのうちの安達に私は深く共感しました。そして、それが一つのきっかけとなり私は生きていてもいいんだと思えるようになりました。

 ぼかした書き方になってしまいましたが、小説は(それ以外の表現も)時に人を救うことがあります。『安達としまむら』は図書館のYAコーナーにありました。私はその後全巻買い揃えましたが、YAコーナーという色々なことで悩みがちな十代を主に対象としたコーナーに置いてあったことが、私にとってはいいきっかけになりました。

 なので私は、色んな題材の本が児童文学やYAなど、子どもの目にとまるように書かれていると救いに感じます。

 戸森しるこさんの話に戻ります。

 戸森しるこさんの本は、ジェンダー、セクシャリティを題材に取り入れたものが多いです。同性への恋心や分類が難しい気持ち、トランスジェンダーなどです。例をあげると『理科準備室のヴィーナス』、『十一月のマーブル』、『ぼくたちのリアル』などです。私が小中学生の頃はこういった題材の本はあまりなく、今の子どもたちが羨ましいと思いました。

 これらの小説があることで、子どもたちへのある種の啓発になるということだけではなく、悩んでいる当事者の子どもに「生きていてもいい」ということがちゃんと伝わってほしいと思います。少なくとも私は『安達としまむら』に救われましたし、戸森しるこさんの小説にもそういった力があると感じているからです。

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