見出し画像

シンパシーとエンパシー

こんにちは、とりです。

コロナ禍でついに読書習慣がついた私が、本を読んでいて印象に残った「シンパシー」「エンパシー」について書きます。なぜ印象に残ったかというと、福祉職として対人援助を行う上で、とても大事な考え方だと感じたからです。

また、言葉の解釈はネット上の色んな説明を読んだうえでの私なりの解釈です。

シンパシーとエンパシーの違い

どちらも「共感」の意味を持つ言葉ですが、シンパシー(sympathy)は同情の意味合いが強いです。相手の辛い状況や大変な環境を見聞きして「可哀そう」「大変そう」と思ったり、相手と自分の出来事を重ねて同じ気持ちになったり。

つまり、シンパシーとは相手のある状況に対して自分自身が「自然と感じる気持ち」だと解釈しています。

一方で、エンパシー(empathy)は相手の辛い状況や大変な環境を見聞きして「相手はどんな感情を抱いたか?」「相手はどんなことを考えるだろうか?」と想像し、理解しようとする行為です。

つまり、エンパシーとは相手のある状況に対して、自分の価値観や感情とは別に、「相手の心情を理解しようと努力する気持ち」だと解釈しています。


多様な人生と関わる福祉職だからこそエンパシーを使う

私は、福祉職として対人援助をするうえで、エンパシーがとっても大切だと考えます。なぜなら、福祉職はたくさんの価値観や環境を持つ「家族」や「人生」と関わるからです。

私自身は一つの人生しか経験していません。クライエントたちは私が経験していないことをたくさん経験しています。それらを、自分自身の経験や価値観に結びつけて考えることはなかなか難しいことです。

例えば、私と同じ「ひとり親家庭」のクライエントがいたとして、「ひとり親家庭」であることにはシンパシーを感じるかもしれません。しかし、その他の状況(ひとり親になった経緯、家族構成、収入、地域性など)は全く異なります。

「ひとり親家庭」に感じたシンパシーに頼ってしまうと支援者目線の支援になりかねません。そこで、エンパシー。相手の立場・環境・価値観に寄り添って、相手の気持ちを理解しようと努力する姿勢がとても大切だと考えます。


シンパシーとエンパシーを自覚する

支援にエンパシーが大切だと思っていますが、シンパシーが必要ないとまでは思っていません。シンパシーは、支援者自身が自然と感じる気持ちなので、自己覚知をするうえでとても大切な感情です。

支援をする中で、クライエントに対してイライラしたり、悲しくなったりすることは当然です。支援者にも感情、シンパシーがあるからです。大切なのは、今自分自身が感じている気持ちが、シンパシーなのか?エンパシーなのか?を自覚して使い分けることだと思います。

自分の感情を大切にしながら、相手の立場や心情を理解しようと努力できる、そんな支援者になりたいと思っています。


読んでくれてありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?