河合雅雄先生の御冥福を心よりお祈り申し上げます

河合雅雄先生の御冥福を心よりお祈り申し上げます

2021年５月14日、霊長類学者・河合雅雄先生がお亡くなりました。97歳とのことです。
　ここに謹んで哀悼の意を表し、先生の御冥福を心よりお祈り申し上げます。
　わたしにとっては専門外ながら、隼雄先生とともに、ご兄弟の学恩は山よりも高く、海よりも深いと言うべきです。日本の人文学、哲学、文学にまで及ぶ多大な影響を今後も与え続けていくことでしょう。
　とりわけ『森林がサルを生んだ――原罪の自然誌』（1979年・平凡社／1985年・講談社文庫）には天地が引っ繰り返るほどの衝撃を受けました。専門的な評価は判断できませんが、朧げな記憶をたどってみると、人類に直立二足歩行を可能にしたものが森林という豊かな自然で、実はそのことが大脳の飛躍的拡大とともに、いわゆる「善」と「悪」を生み出したのだ、ということだったと思いますが、今から考えれば、人類という存在を相対化する視点を広く読書界に与えたのではなかったかと思います。
　　
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2021/05/16 21:12