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004『白川郷を歩く2』

004『白川郷を歩く2』

文:守屋佑一

『白川郷』

岐阜県にある観光地。合掌造りが織り成す独特の景観はユネスコ世界遺産に登録されていることでも有名。

ここには、一般的な観光地としての常軌の顔以外に知る人ぞ知る『聖地』としての顔もあった。

もちろん宗教的な意味の聖地ではない。近年アニメや映画の舞台となった場所をファンの間ではこう呼び、巡礼をする。

白川郷は「ひぐらしの鳴く頃に」という人気ゲームの舞台「雛見沢村」としてその景観が使われた。ひぐらしはアニメや漫画とメディアミックスされ、その全てにもちろん白川郷の景色が使われ、ひぐらしのファンが数多く訪れている。

2009年8月30日

前日の夜に小田原を出発した僕たち4人は白川郷にひぐらしファンとして訪れることを目標としていた。小田原を出発してからずっと運転はMサン一人だった。車内ではひぐらしのテーマソング修やサントラをかけていた。それに飽きてからは違うアニソンをかけた。Mサンの運転を応援するため、僕たちは白川郷につくまでずっと起きていることを誓った。長い長い国道1号線をひたすら走る。何度もコンビニに寄る。そうして時間は過ぎていく。

朝の7時過ぎだったか。もう少しでつくというMサンの声で目を覚ました。後部座席の二人も同様だった。朝の5時くらいまでは記憶があるが、そこから運転手を残して全員寝てしまったようだ。

目が覚めてからは車だらけの国道1号船とは違う道だった。

横を見れば巨大な崖。

本当にこんなところに白川郷が、ひぐらしファンが集う場所があるのか。

そんな不安にかられながらも、白川郷が近くなり、確かに聖地がここにあるということを確信することになる。

そう、だんだんとひぐらし仕様のデコレーションをした車が目についてきたのだ。

そうして着いた白川郷の中心地の有料駐車場。だいぶ朝が早かったはずだが、そこには既にたくさんのひぐらし仕様の痛車が。

間違いない。ここが夢にまで見た聖地だ。

白川郷観光はとにかくハイテンションだった。まだまだみんなガラケーのこの時代。ペーパーはとても大事だった。いつも段取り上手なMサンが家から印刷して持ってきた紙にはアニメで使用された風景の写真スポットが記してあった。それをもとに村を歩き回る。

白川郷は本当に素晴らしい場所で、聖地など関係なくとも楽しい場所だった。その織りなす空気、築300年の合掌造りに普通に人が住んでいる面白いミスマッチで、見学できる家の中でもプライベートゾーンがあり生活の匂いがする。普通に過ごしているだけなのにそれが観光になる。それはどんな気分なんだろう。この村に生まれればそれは普通のことなのだろうか。

そんなことを考えながら村を歩いた。

写真を何枚か掲載する。こんな素人写真でもその素晴らしさが少しは伝わるだろうか。

この白川郷は冬の雪にまみれた風景も美しく人気がある。冬でも夏でもいいので、いつかもう一度行って歩きたい。確かにそう感じる場所だった。

お昼におそばを食べて白川郷をあとにした僕たちはこれまたすごい道の国道360号線を通って下呂温泉を目指した。

道中この国道360号線も素晴らしい景色とおどろきの連続で、こんな素晴らしいものは動画にとってネットで流したいと思ったことをよく覚えている。

(この写真じゃなにも伝わらない・・・)

ここも、皆さんにはみてもらいたい。

もっといろんなものを見せたいところだが、白川郷にしろ、360号線にしろ、なにしろ6年も前のことなので本当に写真が残っていないのだ。

下呂温泉について僕たちは温泉に入り、名物のトマト丼を食べた。ここも素晴らしい温泉街だった。語彙が少ないことも相まってこの記事で素晴らしいを連呼してしまっているが、どこも手放しで褒められる場所だったのだ。

トーチズ散歩では僕は歩いた場所をたくさん紹介していくと思うが、きっとこの先何度も素晴らしいを繰り返すだろう。思えば旅行で後悔したことはほとんどない。

一通り下呂温泉を散策した僕らはこの日の宿泊先を決めようといくつか本やら携帯やらで調査を始めた。この時学生だった僕らにはそのどれもが高かった。

だからみんなで話し合い、すんなりとこの日は車中泊しようということに決まった。前日から続く疲れもあり、駐車場で車を停めて少ししてみんな眠りについた。

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