女の私はASMRの彼女に慰められる
恥ずかしくてリアルでは言えないが、私はほとんど毎日ASMRを聴く
生活音や雨音のものなら、まだ可愛らしいが
私はYouTubeの検索欄に
”男性向け添い寝ASMR”
と女である自分の性別を変える
本当に誰にも言えない、私の秘密だ。
私は可愛いお姉さんの恋人になって動画の中の彼女にヨシヨシされる。
「いい子だね、」
そう褒められた私は、一人で有頂天になる
日々の誰にも甘えらない状況下で、唯一彼女だけが私を慰めてくれる。
しかし、たまに
「彼氏くん、」
と呼ばれる私。私男じゃないんだよなと現実に引き戻される。
すごく、今の男じゃない自分の性別に腹が立って検索を変える
”百合ボイス”
百合ボイスだと女の私をたくさんの彼女たちが認めてくれる
でも、百合ボイスは男性向けのものよりは数が少ないのが難点だ。
もう3年ぐらいは、その狭い海を旅しているので
大体は聞き尽くしてしまった。
たまに嬉しいなと思うのが、両性向けと書かれているものだ。
両性向けだと、どんな性別の自分でも許してくれている気がして
安心する。
ASMRはどんなに醜い自分でも愛してくれる私にとっての現実逃避の場だ。
彼女たちがくれる愛は不特定多数に向けているものだと知っていながら、
癒されて、依存してしまいたくなる。
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