亡くなった幼馴染が僕を殺しにきてくれた
亡くなった幼馴染の姿が隣に見える。
どうやら今日が僕の命日らしい。
不登校になって半年。
入学してすぐのことだ。
【幼馴染の女の子を殺した奴】
という噂が学年にひろまり、僕の居場所はなくなった。
学校が変われば、自分の居場所ができるかもしれない。
そんな淡い期待は泡となって消えた。
どうやら僕はこの世界で生きる資格がないらしい。
僕は不安定な椅子の上に立ち、首吊りの輪っかに頭を通した。
そのときだった。
亡くなったはずの幼馴染の声が聞こえた。
「なにしてるの?」
僕は驚きを隠して平然を装う。
「……もう死のうと思って」
彼女は深いため息を吐いた。
「せっかくあの世からあなたを殺しにきたのに」
あっけらかんとそう言った。
「自殺の手伝いなんてまっぴらごめんだわ」
幼馴染は少し考えたあと満面の笑み浮かべた。
「私があなたを幸せにする。そのあとに殺してあげる」
つづく