ダーリン_イン_ザ_フランキス_イメージ

2018年冬アニメ感想 ダーリン・イン・ザ・フランキス

 “表面的”にはロボットアニメ。旧ガイナックス遺伝子を強烈に感じる作品。
 これまでTRIGGER作品はガイナックス遺伝子を感じさせつつも、コミカルな方面へと振り切っていて、そこで“ガイナックスの子”として独自の成長を遂げていったように思える(シリアスな作品もあったけど)。
 しかし『ダーリン・イン・ザ・フランキス』では巨大ロボットと怪獣が登場し、思春期の少年少女の葛藤が描かれ……かつての『エヴァンゲリオン』を思わせる構造だ。不思議と、謎めいた用語の使い方や、エレベーターやエスカレーターシーンの構図なども『エヴァンゲリオン』に似ている。『エヴァ』の子であることを隠そうともしない(というか意図的に『エヴァ』と連想させるように作っているようにも思える)。劇場版『エヴァ』と分離した、新しい『エヴァ』。ある意味でも兄弟的な関係の作品だ。

 ただ……これを書いている頃というのはまだ7話。第6話までの大きな一幕が終わり、インターバル的な“水着回”が描かれたところだ。
 前半部分……社会性に欠落のある少年パイロットが、一度は任務から外されかけたが、強敵の襲来、ゼロツーという新たなパートナーの獲得で再びチャンスを得る。ヒロはその後も障害に悩まされ、迷いつつもそれを乗り越え、力を覚醒させ、次なる強敵を撃破する……。ここまでが6話だ。
 ここまではロボットアニメ定番のプロットだ。ロボットアニメ王道のプロットを丁寧になぞった作品だ……と、“表面的”には言える。

 問題となるのはここからだが……。明らかにいって、この作品は何かを隠している。いや、隠していることは見え見えで、半分以上見えてしまっているわけだが。その隠しているものが何で、これからどのように情報を開示していくのか。ここで、この作品の真骨頂が現れてくるだろう。
 というわけで、今これを書いている時点では、『ダーリン・イン・ザ・フランキス』の感想は「保留」だ。
 2クール作品、残り15話もある。表面的にはいわゆるなロボットアニメの体裁で作られているが、その奥行きに何が隠されているか。次なる展開を期待して待つとしよう。


こちらの記事は、私のブログからの転載です。元記事はこちら→2018年冬アニメ感想 前編

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