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ブログ:映画の話

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映画の感想文。
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2022年8月の記事一覧

映画感想 ジョゼと虎と魚たち(アニメ版)

 いよいよ配信になったので、見ましたよ。『ジョゼと虎と魚たち』。  原作は1984年の田辺聖子による小説。2003年に実写映画化され、2020年には韓国でリメイク映画化、本作で映像化されるのは3度目となる。韓国版リメイクが2020年12月10日公開で、アニメ版は2020年12月25日クリスマス公開(韓国リメイク版の日本公開は2021年10月29日……さすがに同時期に同じタイトルの映画はまずいと判断されたか……)。  アニメファン的に「おや?」と感じるのは、本作の制作が「ボンズ

映画感想 ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、終結

 やっと視聴できた『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』。Netflixで配信中!  本作は2016年公開の『スーサイド・スクワッド』の続編……ではない。ストーリー的な関連性はなく、リブートに近いものだけど、登場人物の一部は続投していたり、と「リブートのようでリブートではない」という微妙な位置づけの作品となってしまった。これが公開時に一般観客を混乱させることになる(私も続編なのかリブートなのか、正確にはよくわからない)。  監督はマーベル映画の『ガーディアン・オブ・

映画感想 ドント・ブリーズ2

 今回視聴映画は、こちらも「声を出してはならない映画」――『ドント・ブリーズ2』。前作『ドント・ブリーズ』は最終的な興行収入がなんと1億5000万ドル。しばらく『ドント・○○』といったパクリ映画が流行したくらいの社会現象大ヒットとなった作品だ。  その第2作目がこちら。『ドント・ブリーズ2』。盲目の最強老人は生きていた。あれから何が起きたのか……あの物語の「その後」が描かれる。前作では老人は「敵」として描かれていたが、今作では「主人公」として描かれる。  本作の評価だが……最

映画感想 クワイエット・プレイス2 破られた沈黙

 あの映画の続編!  聴覚が異常なほど優れた怪物相手にいかに戦っていくか――2018年に発表された『クワイエット・プレイス』は世界興行収入3億ドルを稼ぎ出す大ヒット映画となり、当初は「第1作だけで終わり」の予定だったが、あまりに多くの支援に後押しされて続編が制作されることになった。それが『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』。……邦題に『パ-ト2』を付けなかったのは失敗かと……(原題はパート2がついている)。  監督、脚本、制作総指揮はジョン・クラシンスキー。第1作目の主演

映画感想 デューン

 お、Netflixにあの映画が配信されている。これは見なくては……!  あの映画とは、ドゥニ・ヴィルヌーブ監督による2021年の作品『デューン・砂の惑星』。原作は1965年に発表された「SF界の聖書」とも呼ばれるフランク・ハーバードのSF小説。その後のありとあらゆるSFやファンタジーに影響を与え、イメージの源泉となり、幾度となく映画化が構想されたが、あまりの壮大かつ複雑であるがゆえに頓挫を繰り返し続けた難物原作である。この作品を、『メッセージ』『ブレードランナー2049』と