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ブログ:アニメの話

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私の個人ブログの中から、アニメに関する話題のみをピックアップしました。
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#noteアニメ部

映画感想 THE FIRST SLUM DUNK

 バスケ映画最高の名作!  2022年はアニメの当たり年だった。年の初めである2月に『鹿の王 ユナとの約束の旅』『劇場版 地球外少年少女』、5月に『犬王』、6月に『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』、7月に『映画 ゆるキャン』『神々の山嶺』、9月に『雨を告げる漂流団地』……と一部をピックアップしただけでもとんでもない本数。このうえに海外アニメや『ドラえもん』などの定番映画もあった。そのなかで11月公開『すずめの戸締まり』と並んで特大ヒット映画だったのが本作『THE F

映画感想 屋根裏のラジャー

 イマジナリーフレンドは、どこかに実在するかも知れない……。  スタジオジブリ解散後、残されたスタッフたちで立ち上げたアニメーション制作会社スタジオポノック。その現時点での最新作が本作。2023年12月公開の映画『屋根裏のラジャー』。  原作はイギリスの作家A・F・ハロルドによる児童文学『僕が消えないうちに』。イギリス文学協会賞を受賞。ケイト・グリーナウェイ賞、カーネギー賞などにノミネート。世界的に大ヒットした児童文学だ。  監督を務めるのはスタジオジブリでアニメーターとし

6月27日 アニメ『鬼武者』で三船敏郎復活!!

 2023年11月に配信されていた『鬼武者』……やっと視聴!  主人公は今でも「世界一有名な侍俳優」として知られる三船敏郎! 1997年にこの世を去った三船敏郎をCGアニメとして復活。声を大塚明夫が吹き替える。  すでに故人である俳優を生き返らせるのか……と思われそうだけど、実は『鬼武者』シリーズはそれが売り。2002年に発売されたゲーム版『鬼武者2』では主人公が松田優作だった(当時の技術だったから、微妙に似てなかったんだけど……)。毎回故人が主演を演じる……というわけでは

2024年春アニメ 響け!ユーフォニアム3

 アニメ放送開始から実に9年……いよいよシリーズ完結。第3期では黄前久美子3年生進学から卒業までが描かれた。その最後の1年間がどんなものだったのか――その内容を深掘りしていこう。  3年生編を見る前に、2年生編の後半『アンサンブルコンテスト』編を見ていきましょう。黄前久美子部長就任。副部長に塚本秀一、ドラムメジャーに高坂麗奈が就任。  ご存じだとは思うが、2023年8月に劇場公開されたアンサンブルコンテスト編からメインスタッフは大幅に入れ替えになっている。経緯はあえて省く

アニメ感想 アーケイン

 日本のアニメが世界一だって? ハハッ……そんなこといまだに言ってるのか。  完全敗北だよ。この作品に。今の日本に『アーケイン』を超える作品は生み出せない。 アーケインを制作したフランスのアニメ会社  『リーグ・オブ・レジェンド』はプレイ人口1億8000千万人を誇る世界最大のオンラインゲームである。そのアニメーション版がこの作品『アーケイン』だ。  フランスのアニメーション会社「Fortiche Production(フォルティッシュ・プロダクション)」が制作。監督はクリ

映画感想 シン・エヴァンゲリオン完結編 Ⅰ

!ネタバレ警報!  ついにAmazon Prime Videoにて『シン・エヴァンゲリオン完結編』が配信開始! しかもプライム会員無料だ!  劇場で見に行けなかったので、すぐに視聴。ここまでに結構ネタバレ喰らってきたけど、これ以上ネタバレを喰らうわけにはいかない。もったい付けずにすぐに視聴だ。  それで、いつものように映画の感想文を書いていくつもりだが、今回は薄らぼんやりな感想文を書くつもりだ。というのも設定のほとんどがわからない。なんで電車が宙に浮かんでいるのとか、「コ

読書感想文 リアルのゆくえ/東浩紀×大塚英志

 一般的なライトノベルの世界は、アニメ・漫画的なリアリズムの中で作られている。漫画の歴史をデータベース化し、サンプリング化し、その情報の中で作られるのがライトノベルだ。だからどうしても情報量の限界に行き当たるし、「表現の限界」にも行き当たる。同時代のマンガ・アニメの文脈にない表現や思想を描けないからだ。すべてがアニメ・漫画的な文脈の中に収束してしまうのが、ライトノベルの弱さだ。  ライトノベルの表現は、データの圧縮・解凍の発想に似ている。かつての創作は、作り手側がすべての情報

映画感想 若おかみは小学生

 『若おかみは小学生』は講談社から出版されている令丈ヒロ子原作の児童小説で、アニメ化となる前に、すでに300万部を売り上げるベストセラーである。同作品のテレビシリーズは増原光幸監督、横手美智子脚本で2018年に4月放送されている。今回視聴した劇場作品は、同じくアニメ制作会社マッドハウスだが、監督は高坂希太郎、吉田玲子脚本。制作会社だけは同じだが、それ以外のすべての座組を変えての作品となる。同じ制作会社で、主要スタッフを変えて作品がどう変わるか……という興味深い試みによる作品だ

2021年冬期アニメ感想 ぶらどらぶ

 『ぶらどる』……じゃなくて『ぶらどらぶ』だ!  押井守監督による久しぶりのテレビシリーズ作品。どれくらい久しぶりなのかというと、1981年の『うる星やつら』以来だから実に40年ぶりとなる。若いアニメファンはもはや「押井監督のテレビアニメ」なんて、タイトル名すら知らないんじゃないか……というくらいに久しぶりのテレビシリーズ監督となる。押井守は総監督のポジションとなり、監督は西村純二(現場の中心的指揮は西村が執る……ということになる)。西村は押井監督と同じく40年前に『うる星や

2021年冬期アニメ感想 BEASTARS シーズン2

 第1シリーズから1年が過ぎたのだが……。さて、困ったな……。細かい話を覚えていない。  大雑把なところで、レゴシ君がヤクザ事務所に乗り込んで、ハルちゃんを連れ戻したお話までは覚えているのだけど、ジュノちゃんとの関わり方ってどうだったかな……。ほとんど何も覚えてない。  と、こんなふうにフワフワした状態で視聴を始めたので、どうにもお話が掴めなくて……。  13話、14話でガラガラヘビからの啓示を受け、レゴシ君は未解決のままだった食殺事件に踏み込んでいくことになる。  一方の

2021年冬期アニメ感想 進撃の巨人 ファイナルシーズン

 まずはオープニングの話。  オープニング楽曲は「神聖かまってちゃん」が担当している。「神聖かまってちゃん」が『進撃の巨人』楽曲を手がけたのは第2期エンディング以来。これまでの『進撃の巨人』エンディングの中でももっとも謎めいた歴史について描いたエンディングだった。その「神聖かまってちゃん」がオープニングを担当するということは、ある意味、あのエンディングの向こう側へページが進みましたよ……というような意味があるように感じる。  その第4期オープニングアニメーション。歌詞について

映画感想 たまこラブストーリー

 2月4日視聴!  そういえば『たまこラブストーリー』って見てなかったな。Netflixにはないわけだけど、Amazon Prime Videoには……あった! しかも無料だ!  というわけで視聴。  制作年度は2014年だから、今から6年前。州崎綾がもっとも美少女キャラをやっていた頃だ。もうそんなに時間が経ってたか……。  まず、テレビシリーズ版である『たまこまーけっと』という作品について。『たまこまーけっと』は山田尚子監督の前作である『けいおん!』を延長した作品であり、

映画感想 ペンギンハイウェイ

 今月はまだまだ忙しいので、簡単感想文です。他の映画感想文もみんな簡単感想文です。長いやつは書けません。あしからず。  1月5日視聴!  冒頭の場面。 「僕は大変頭が良く、しかも努力を怠らず、勉強するのである。だから将来はきっと偉い人間になるのだろう」  という少年のモノローグとともに、少年が研究課題にしているノートが登場するのだが、その内容がお姉さんのオッパイについて。  いいぞ~少年!  そして研究対象にしているのが、近所に住んでいる美人のお姉さん。  いいぞ~いいぞ

2020年秋期アニメ感想 ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN

 今期ストライクウィッチーズはやけに作画にムラがある。アップショットはそこそこ安定した絵で描かれているが、ロングサイズになると途端に絵が崩れ始める……。  時期的にクオリティコントロールをしきれない内部的な事情があるのだろう。今回はその件について追及しないことにしよう。  空飛ぶ具足という斬新な着想で人気のアニメーション。第3期は、帝政カールスラント奪還作戦を描く。  帝政カールスラントは私たちの世界線でいうところのドイツ。ネウロイが拠点にし、戦闘の中心地となる場所となって