マガジンのカバー画像

細(ささ)めの雪にはなれなくて 前編 (学生編)

10
細めの雪にはなれなくて…かおりという主人公の人生を描いた小説です。前編はほとんどタイトルの本質部分には触れず、そこまでの人生のバックグラウンドを描いています。 後編は、こちらは有…
運営しているクリエイター

2020年8月の記事一覧

細めの雪にはなれなくて 3 第一部

 どこにでもあるような普通の学生生活を送り小学校を卒業したかおりは、幼馴染の孝一やその他…

4

細めの雪にはなれなくて 4 第一部

東北地方のとある県、海沿いに位置する街に住んでいるかおりは、中学1年の終わりに初めての恋…

4

細めの雪にはなれなくて 5 第一部

 中学校2年の夏。晴れ切った空から差す日差しで外はうだるような暑さの中、その年の5月に新し…

10

細めの雪にはなれなくて 6 第一部

 中学3年の秋、この頃になるとほとんどの学生は自分がどこの高校に行くかを決め、そこに向っ…

5

細めの雪にはなれなくて 7 第一部

 かおりは地元のショッピングモールを友人達と歩いていた。今は高校2年の春、始業式後、クラ…

3

細めの雪にはなれなくて 8 第一部

 かおりはある湖畔にいた。大き目の石に腰を掛け手を伸ばし、筆を立ててじっと前の湖の向こう…

6

細めの雪にはなれなくて 9 第一部

 日曜日、現地集合で画材屋の進藤と約束を取り付けたかおりは、再びあの湖畔に来ていた。前回描いた用紙を以前のようにスケッチスタンドに貼りつけ、手にあごを乗せじーっと待っている。やはりここでする音はきれいだ。水面下からする水音、種類はよくわからないがときおり甲高く奏でる鳥のさえずり、海沿いとは違った、緑の匂いをそのままイメージできるような音たち。それでいて静かだ。  しばらくすると、背後から声がした。「麻生さーん?」振り返るとそこには、ベージュのパンツにブルーのシャツのさわやか

細めの雪にはなれなくて 10 第一部学生編 完

 高校二年も後半に差しかかる冬の大晦日、かおりは他校に行った友人の葉子と幼馴染の孝一と一…

2