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『映画大好きポンポさん』

 『映画大好きポンポさん』観ました?今年の最高映画なので、できれば劇場でやっているうちに、やっていなくても何らかの方法で観て欲しい作品でした。
 特に創作を志している/志したことのある人には、絶対に刺さる何かがある気がします。わたしは映画館で観たときに途中から笑い泣きのような感じになっちゃって、走って家に帰ったよ。
 
 ネタバレにならない範囲で話をすると、『映画大好きポンポさん』は映画制作についての話。映画業界ニャリウッドにて、天才映画プロデューサーポンポさんのもとでアシスタントとして働くジーン君が、初監督としての仕事を任され奮闘していく話です。
 出てくる登場人物たちが、みんな夢に必死で真摯で見ているだけで背筋が伸びますし、映画の「このシーンが撮りたかった」「この瞬間のために描いた」みたいな瞬間が本当にキッラキラしてて........この輝きが見たくてわたしは読んでいるし書いているんだなあ......って。

 漫画の一巻をベースにした映画化なのですが、漫画ではさらっと描かれていた映画の編集の部分が、映画ではがっつりフォーカスが当たっていたのも最高に良かったです。膨大な動画の中から、一つの作品を切り出していくのが一本の木から仏を彫りだしていくみたいで、とてもとても格好いい。

 仏を彫りだすといえば、夢十夜の第六夜好きです。夢十夜全部全部好きなんですが、特に第一夜と第六夜が素敵。
『明治の木にはとうてい仁王は埋まっていないのだと悟った』
 こういう一文に出会えるのは小説を読む楽しみの一つですよね、本当に。

 話を戻そっか。ポンポさん漫画だと今は6巻まであって、わたしはまだ3巻までしか読めていないのですが、どれも本当に良かった。書き続ける気力を与えてくれる綺羅星のような作品でした。

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