見ず知らずのおばさんに救われた話
それは、私の大学生活が終わりを迎える日のことだった。めでたい門出の日だというのに、私はというと、パニック障害のせいで、それどころではなかった。鏡に映った自分の目には恐怖と絶望が入り混じった色が浮かんでいて、いかに「普通」に生きることが難しいかを物語っていた。ここで言う「普通」とは、「健常者として不自由なく日常生活を送る」ということを意味する。障害者手帳を持っていない人を健常者と言うのならば、私は紛れもなく健常者であるのだが、健常者である私が日常生活をまともに送ることができな