スピッツ「チェリー」 愛してるの響きだけで強くなれる気がしたよ
スピッツと言えば「チェリー」。代名詞のような存在ですね。この歌をきらいな人なんて、いるのかしら?
この歌を初めて聞いたのはいつごろだろう。リリースが1996年4月。仕事にも、恋にも悩んでいたころだなあ。いろいろうまく行ってないころだ・・・。懐かしい。
それから20年あまりの時を経て、2017年夏。
香川県の野外音楽広場テアトロンで行われたライブで、草野さんが「次は、この場所に僕たちを連れてきてくれた曲です」と紹介。そして、あのチェリーの前奏が始まった。スピッツの名前を圧倒的に広め、メジャーに押し上げてくれた曲だよね。チェリーのおかげで、全国ツアーもできたし、香川にも来ることができたってね。
「『愛してる』の響きだけで、強くなれる気がしたよ」
圧倒的な力を持つ歌詞。「誰かに必要とされることで、自尊心が高くなる」などという啓発本みたいな解説は、あまりにも野暮過ぎるね。
「気がしたよ」という草野さんの控えめさがあるからこそ、人の心にグッと入り込むことができるんだろうね。すごいバランスです。
ただ、歌詞に描かれているであろう登場人物「君」「僕」がどうなったのか、という具体的な事象については、いつもの草野さんの通り、あまり説明していませんね。
ヒントは「きっと想像した以上にさわがしい未来が僕を待ってる」とだけ。
それ以上は、聞き手の想像にゆだねてくれています。詩を読むことがあまり得意ではなく、国語力もない私でも、ある程度の想像力を働かせられる程度には表現してくれています。
やっぱりすごいね、スピッツの歌詞。これをあの声で歌うのだから、ズルイ。
聞き手一人一人の「チェリー」があると思うので、私もこのあたりで、ペンを置きます。
え?でも、この歌の題名。なんで、「チェリー」なんだろう?
2022年5月25日 トラジロウ
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