スピッツ「フェイクファー」 柔らかな心持った 初めて君と出会った
スピッツの「フェイクファー」と言えば、アルバムを連想する人が多いような気もする。このアルバムは長く、車に積んでいて、1990年代後半ごろに何百回とリピートして聞いたなあ。スピッツのアルバムでは最も聞き込んでいるかもしれない。
もちろん、全アルバムの中でもトップレベルに好きなアルバムなんだけど、今回は曲としての「フェイクファー」に注目してみたい。
アルバムの最後の締めくくる曲として、この歌を持ってきているんだよね。
「冷たい頬」「仲良し」「楓」「スーパーノヴァ」「スカーレット」と、お化けのように強力な曲たちが並んでいる中で、決して負けないインパクトがあるんよね、この曲。
草野さんの詩は、聞き手に解釈を委ねている部分があって、やっぱり難しいなあと思うんだけど・・・。「フェイクファー」(偽物の毛皮)という題名からも想像できるとおり、この曲は、不倫の歌なのではないかと推察しています。違うか?
不倫でなかったとしても、決して成就しない恋のようなもの、とてもむなしいものを歌っているような・・・。
とても寂しいけど、やっぱり、高潔さを感じてしまう。この寂しさをアルバムの最後に持ってきたかったのかしら・・・。
こんなにもきれいなきれいなメロディーと歌詞に昇華させてしまうのだから、やはり草野さんはとんでもない人だな、と。
「分かち合うものは何もないけど 恋のよろこびにあふれてる」
「偽りの海に身体ゆだねて 恋のよろこびにあふれてる」
そんな恋、したことあるかなあ?
「柔らかな心を持った はじめて君と出会った」
出会ってみたいね。
2022年5月16日 トラジロウ
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