社会人の英語学習、どうやり直せばいい?<計画編>
毎年、年が明けた1月から新年度を迎える4月は、1年のなかでも特にたくさんの方がTORAIZのカウンセリングにお越しになるシーズンです。今年こそは!と英語学習に取り組もうと思われているみなさんに、計画の立て方についてご紹介します。
最も重要なことは、学習ゴールを決めること
最初に必ずしていただきたいことは、学習のゴールを決めることです。
え、そんなこと?と思われたでしょうか。TORAIZでは、英語学習を始める前に、英語学習のゴールを決めるためのコンサルティングを徹底して行います。なぜなら、学習目標が決まらないと必要とされる英語力がわからないため教材の選定や学習方法といった学習計画が立たず、効率的に学習することができなくなるからです。
より具体的なゴールを設定した学習者は、スピーキング力向上の効果がより大きい
2015年の開校以来、受講生の英語学習データの蓄積があるTORAIZ語学研究所では、2021年10月に開かれた第21回日本第二言語習得学会国際年次大会(J-SLA2021)にて以下のような研究結果を発表しました。
この研究では、TORAIZで1年間の英語コーチング・プログラムを修了した受講生を対象として、英語学習をする際に具体的なゴール設定をすることの重要性を調査するため、「どこで」「だれと」「何を」「どうやって」の要素のうち、いくつの要素が含まれているかを分析しました。1つの要素を含むものはグループ1、2つの要素を含むものはグループ2、3つの要素を含むものはグループ3、4つの要素を含むものはグループ4に分類しました。また、それぞれの受講生のスピーキング力の伸びを測るために、英語のスピーキングテスト「VERSANT」を使ってプログラム開始前の点数とプログラム受講期間中の最高点の差を測定しました。
その結果、次の図のように、より具体的なゴールを設定した英語学習者は、学習によるスピーキング力向上の効果がより大きいことが確認されたのです。
複数の要素が含まれた学習ゴールとは、次のようなイメージです。
例1には3つの要素、例2は2つの要素が入っています。
学習ゴールの設定には「達成時期」も忘れずに
TORAIZを受講される方はプログラム受講期間にあわせ、学習ゴールを決める際にさらに「いつまでに」を設定します。学習ゴールとその達成時期を明確にすることは、学習するモチベーションを維持することにもつながります。
もし、いつまでにどうなりたいのかが明確でないと、3ヶ月以上学習を継続することが難しくなってきます。学習ゴールと達成時期が決まっていないと、3ヶ月もたつと教材学習の進捗が遅れがちになり、毎日の学習時間も定まらなくなるなど、うまく学習を管理できなくなります。そうなると結果も出なくなり、挫折してしまう可能性が高くなります。学習ゴールと達成時期が決まっていれば、「そこまでは頑張ろう」と思えますよね。モチベーション管理のためにも必ず、学習ゴールとその達成時期を明確にしましょう。
ゴールの達成に必要な時間と、英語学習に使える時間を算出する
前回のnoteで、日本の英語教育を受けてきた社会人がビジネスで通用する英語を習得するまでに必要な学習時間は平均800~1000時間とご紹介しました。
目指す英語力のレベルにもよりますが、まずは1000時間を目安に考えてみましょう。このようにゴールにたどり着くまでの時間を把握したら、つぎに自分が英語学習のために投じることができる時間を1週間単位で算出します。平日は毎日2時間、土日にそれぞれ5時間とした場合、合計20時間となり、1年間弱で1000時間を達成する計画になります。TORAIZでは週末のどちらか1日を英語学習の休日とされ、平日の学習時間を3時間とされる方が多いです。
現在の英語力を把握する
学習ゴールやその達成時期を決めたら、現状の英語レベルを確認しましょう。現在地を知ることで、目的地までのロードマップを描けるからです。
会社の昇格試験などでTOEICをはじめとした各種英語試験のスコアが必要な方なら、模試や過去問を自宅で解くほかに、時間とお金が許すなら実際に試験を受けることをお勧めします。実力をより把握しやすいだけでなく、最新の試験では過去問や模試と傾向やレベルが変わっている場合にも気づくことができます。
TORAIZでは、英語学習を開始する前にオリジナルの文法問題と英語のスピーキングテスト「VERSANT」を受けていただきます。さらに実際にネイティブコーチと英語で会話をしていただき、現状のレベルチェックを実施しています。
ゴールまでに必要な教材をそろえる
現状の英語レベルを把握できたら、ゴールを達成するまでに必要な教材をそろえます。紙のテキストだけでなく、オンラインやスマートフォンのアプリでも構いません。
TORAIZ流、教材の「選び方」3大原則
教材を進める範囲を日割りで決める
取り組む教材を選んだら、それぞれの教材について、どのくらい学習時間が必要かをざっくり見積もります。そのためには、数日間その教材を使って学習をしてみましょう。すると自分が1日でこなせるだいたいの量がわかってきます。この量で仮計画が達成できるでしょうか。もし時間が足りないようであれば、1週間の学習時間を増やす工夫が必要です。
このように教材ごとにかかる時間を割り出して、取り組む順番に並べて予定通りに終わるかを確認します。このステップを踏んで本計画を作りましょう。
ここまでできたら、この計画をリアルタイムに見直しながら進めていきます。どうしても忙しく進捗が遅い場合、1週間の中で調整できるのであればその週の間で調整してしまいましょう。もしそれでも追いつかない場合は、教材を減らしたり計画自体を見直したりすることがあっても構いません。大事なことは、全体の計画を常に把握しておくことです。
英語学習で重要なポイントとなる教材選びについては、トライズ代表の三木がNewsPicks NewSchoolでも解説しています。ぜひこちらもご覧ください。
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