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ノルウェーの思い出〜THEたらい回し〜バス案内所編
もう10年以上前、友人Bの住むノルウェーに初めて訪れた時の出来事。
同行者は私とBの共通の友人M。
その日はMと2人でオスロ郊外の民族博物館にバスで行く予定だった。
泊まっていたB宅からオスロ駅までは電車で移動。
オスロ駅から民族博物館までは31番のバスに乗ることは事前にBから聞いていた。
駅の隣のバス乗り場にはバスの停留所がいくつもあるのに、31番が見つからない。
そこで、バスの案内所へ行って聞くことにした。
案内所に入ると、カウンターの前に制服を着た男性が2人。
いかにも案内所の職員っぽい。
民族博物館行きのバスに乗るバス停はどこなのか、拙い英語で聞いてみた。
返ってきた答えは「自分はバスの係じゃ無いから、そこにいるバスの係に聞いて。」
指をさされた方向を見ると、なるほどバスの案内係のカウンターが。
カウンター内の女性は何かメモを書いているようだったけど、声をかけてみた。「エクスキューズミー。」
その小太りで、気の強そうな女性は、こちらを見る事もなく「今、書いてるから!」みたいな事を言う。怒った口調で。
…怖い。
日本だったら窓口でこんな対応あり得ない。
Mと2人、呆然としつつ、女性が何かを書き終わるのを待った。
書き終わった女性がこちらを見てくれたので、バス乗り場にはどう行けば良いかを聞くと、早口の英語で「ここから2ブロック歩いて階段を降りて。」と言われた。というか、これだけ聞き取れた。
私達に2ブロックと言う概念は無い。
何のことやら、と言う感じで歩き出したけど、不安なので Mが向こうから歩いてくるおじさんに声をかけた。
おじさんは、「バスの事ならバス案内所で聞きな。」と、ぶっきらぼうな返事。
他の歩行者に聞いても同じ答え。
バス案内所の女性にもう一度聞く勇気は無い私達は、そのまま歩いていく。
すると、オスロ駅構内に入ってしまった。
向かう先に警察のような制服を着た2人組の青年を見つけ、お巡りさんかも!と期待して31番のバス停の場所を聞いてみた。
返ってきたのは「バス案内所で聞いてよ。バス乗り場は向こうだよ。」
それで私達は向こうと言われた方向(来た方向)に戻ると、はじめに行った駅の隣のバス乗り場に戻っていた。
バスの運転手さんに聞けばわかるかもしれない。
停まっているバスに乗り込んで 運転手さんに聞いても誰もが「案内所で聞いてよ。」と答える。
もう泣きそう。
ここまでで私もMも心がすり減ってきている。
仕方無く、案内所にもう一度戻って中を覗いてみると、窓口に座っているのは先ほどの怖い女性。もう一度声をかける勇気が無い。
ふと横を見ると、観光客っぽい女性2人が市街地図の模型の前で立ち話をしている。
私は地図の民族博物館を指差して、「ここへ行きたいんです。」と聞いてみた。
女性のうち1人が、「ここへは駅の外にあるバス停からバスに乗るのよ。」と教えてくれた。
さっきは駅の途中で引き返してきてしまっていた。
あのまま進めば良かったんだ。
やっと希望の光が見えて来た気分でもう一度駅構内に戻り、そのまま歩いて駅の外に出た。
駅の外の階段を降りると、目的のバス停があった。
2ブロック先っていうのがわからなかったばかりに、と言うか、案内所の人が駅の外って教えてくれてたら良かったのに!
バス停探しで気力と体力と時間を消費してしまった半日の出来事でした。
日本だったら人に道を聞けば大抵親切に教えてもらえる。
案内所でも、ちょっとした質問なら担当じゃなくても知っている事は教えてもらえるだろうと思う。
お巡りさんや駅員さんにだって何か聞いたら教えてくれる。道案内だってしてくれるかもしれない。
ノルウェーに住むBによれば、ノルウェー人にはサービスと言う概念が無いとの事。
日本との文化の違いを感じた。
翌日ルイ・ヴィトンの日本人の店員さんも、ノルウェーでは“たらい回しされる”ことよくあるよ、と話してた。
ちなみに2ブロック。1ブロックは何メートルって言う定義がある訳では無く、角から角までが1ブロックらしい。
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