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林浩治「在日朝鮮人作家列伝」05   呉林俊(オ・イムジュン)(その1)

呉林俊──激情の詩人の生涯(その1)

林浩治

呉林俊(1926年慶尚南道生~1973年9月3日)
『呉林俊33周忌記念誌』より

 呉林俊(オ・イムジュン)は朝鮮慶尚南道生まれ。
1930年、4歳のとき両親に伴われて渡日した在日朝鮮人1世。
大日本帝国陸軍志願兵として満州に従軍し、解放の日をソウルで大日本帝国二等兵として迎えた。
戦後は在日本朝鮮文学芸術家同盟神奈川支部の委員長を務め、日朝友好展に関わるなど、在日朝鮮人文学芸術運動に従事した。

 画家であり詩人であり多くの批評を残した。日本の植民地主義や天皇制、在日朝鮮人排除のレイシズムを厳しく指弾しながら、在日朝鮮人の存在を問う批評で異彩を放った。

 朝鮮からの引き揚げ者である小説家の小林勝村松武司など日本人文学運動家とも親交が深かった。

→(その2)へつづく
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*本文の著作権は、著者(林浩治さん)に、版権はけいこう舎にあります。
*ヘッダー写真:呉林俊画「海と空」1964年 15号 伊東覚氏蔵(「呉林俊33周忌記念誌」より)
*(その1)~(その10)掲載の『呉林俊 33周忌記念誌』は著者提供です。

◆参考文献

◆著者プロフィール

林浩治(はやし・こうじ)
文芸評論家。1956年埼玉県生まれ。元新日本文学会会員。
最新の著書『在日朝鮮人文学 反定立の文学を越えて』(新幹社、2019年11月刊)が、図書新聞などメディアでとりあげられ好評を博す。
ほかに『在日朝鮮人日本語文学論』(1991年、新幹社)、『戦後非日文学論』(1997年、同)、『まにまに』(2001年、新日本文学会出版部)
そのほか、論文多数。
鄭承博とも交友があった。
2011年より続けている「愚銀のブログ」http://kghayashi.cocolog-nifty.com/blog/は宝の蔵!

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