『吟醸掌篇』とは何か(3)──プロとは何か+新しい試み(小説原稿募集)
栗林佐知(けいこう舎編集人)
(ヘッダー画・山﨑まどか)
■ プロとは何か
実際、雑誌を作ってみて、困ったのは、やっぱり原稿集めです。
文句を言ってすみません、なのですが、いらっしゃるのです。
コンセプトに賛同してきてくれたはずなのに「親睦会的な同人誌にしろ」と言い出す方、
〆切日に「〆切いつだっけ」とおっしゃる方、
完成していない原稿をくださる方、
推敲していない原稿を寄こされる方、
問い合わせをしても無音の方、
「え、二重投稿ダメ? おれは別に気にしないけど」とナゾの回答をなさる方……
うーん。実務上、ふつうに困ります。
どうか、プロ意識をもってください!
プロフェッショナルな小説家とは何でしょう。
名のある出版社の編集者に言わせれば、それは「注文をもらえる小説家」のことです。
私のような「新人賞後チャンスがない」作家は、該当しません。
でも、もちろんそんなことはどうでもいいです。
そんな定義にNOを言いたくて、雑誌を作っているのですから。
職業小説家とは何か。けいこう舎でいうプロは簡単なことです。
・自分で自分をプロだと思っている
(誰になんと言われても)
・約束を守る(〆切など)
・最低限のエチケットを守る
(問い合わせにはレス、二重投稿だめ、盗作論外)
・最低限の自己開示をする
(自分の作品と名前を知ってもらおうという姿勢を持つ)
・書き続けている
(いつチャンスが来てもいいように腕前を鍛えている)
また、「プロなんてべつにどうでもいい」と、こつこつと同人誌などで上質の作品を長年にわたって書き続けておいでの作家さんもおられます。
このような書き手さまには敬意あるのみで、是非ご一緒したいです。
なのですが、『吟醸掌篇』にご寄稿頂けます場合は、
上記の「プロ意識」にお付き合いくださるようお願いします。
■ 新しい原稿の集め方
また、なやましいのは寄稿者へのお誘い、依頼です。
原稿料が安いので、申し訳なさでいっぱいになってしまうのと、
ご迷惑じゃないか、断りにくくて苦しい思いをしているのでは、
あるいは、
「書いてもいいな」と思ってくださっている方を見落として、「ちぇっ」と味気ない気持ちにさせているのではないか……
と、勝手に妄想して一人で悶絶してしまいます。
(もう一つ、大きな心配妄想は→(5)なぜ「3作お願いしたい理由」)
私は子供の頃はずれ者だったので、自分が誰かに寂しい思いをさせていたら、すごく申し訳なくて、いやです。
寂しいのはいや;;
なので、今後も試行錯誤になると思いますが、
今回(来年2024年4月1-5日〆切)『吟醸掌篇』vol.5の小説は、試みに、依頼をやめ、募集形式にしてみたいと思います。
(前回ご寄稿いただいた方でミステリを書かれる女性には、この募集オープンの前に、規程をお伝えして、良かったら是非ご寄稿いただきたい旨、お誘いしています)
誰も来てくれないのではとドキドキヒヤヒヤですが、
もしよろしかったら、是非、手を上げてくださいませ。
→募集要項
そのまえに、少し、
・『吟醸掌篇』とはどんな文芸誌か
・寄稿者の規程(偉そうですが【応募資格】ってやつです)
・お断りする作品
について、整理しますね。
よろしかったら見てやってくださいませ。→(4)■『吟醸掌篇』方針
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→■(4)『吟醸掌篇』方針
◆『吟醸掌篇』とは
◆小説の寄稿者
◆お断りする作品
→■(5)「3作」お願いしたい理由
→『吟醸掌篇』vol.5 女性ミステリ作家募集!
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