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『吟醸掌篇』とは何か(5) ──"3作"お願いしたい理由

(画・山﨑まどか)

■「3作」お願いしたい理由


『吟醸掌篇』づくりで、一番はらはらするのが、
「へたくそな作品、いまいちな作品が来たらどうしよう」ということです。

「そんなのボツにすればいい」というクールな意見もあります。
すてきですが、そう簡単ではないです。

ボツにされるというのは、体験してみなければわからないほど心がグシャッとつぶれます。
ボツにした方も罪悪感で真っ黒焦げになります。かなり引きずります。
それに、紙面をあけて待っているのですから穴が開いてしまい、実際、ものすごく困ります。

もちろん、版下にする前や初校の際に「ここをこう手直ししては?」とか「意味が少し通じにくいので加筆してください」などと提案することはありますし、2,3日で手直しできるようなことであれば、推敲にお付き合いして改稿をお願いします。
けれどあまりに未完成な作品は無理です。進行が遅れますし、これはなかなか精神的にも消耗する仕事です。
 
そこで考えたのが、3作見せていただくことです。

以前、一度ボツにしてしまった方は、他に書きためたものが1つもなかったのです(本当に偉そうにすみません。もっと言い様があったろうと後悔しています)。
 
3作あれば他の作品との兼ね合いでベストなものを選べますし、作家さんの作風、魅力も理解できて、がぜん編集も楽しくなります。
「水準は申し分ないけど、少し魅力に乏しいなあ」と思いながら載せることも避けられます。

なにより、「3本準備する!」となれば、「ずっと書いていなかったけど、今回やっと〆切ぎりぎりになんとか1本仕上げた」という事態を避けられます(こういう作品、わかってしまいますよね)。

わたしもがんばりますので、もし、『吟醸掌篇』の仲間になってくださる方がいらしたら、3本お願いいたします。

vol.5(女性ミステリ作家)は、2024年の4月1-5日、〆切なのですが、
若干名、Twitterで募集しようと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
→女性ミステリ作家募集!のおしらせ

vol.6は、なんと2026年なのですが(鬼が笑いますね)、2025年の今頃に公募しようと思いますので、腕を磨いておいてくださいね。


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『吟醸掌篇』方針

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