あら?探し中ですか?
どこに行ったのかな?あれれ?
ここにキノコみたいな、面白いものがあったんだけどな。
まぁ、いいっか。正直、楽しくないし。
小さいときの自分は、水を掛け合うのが楽しかった。
それも今じゃ、楽しめない。
そもそも、それは楽しむべきものではないのだと
中学生になって知った。
小学生のある時、僕は洗い物をしていた。
僕は、洗い物が終わったから、リビングの隣の和室で
日本史の偉人伝などを眺めては楽しんでいた。
僕がそれに夢中になっていると、リビングから苦情が聞こえてきた。
”ちゃんと洗えてなくない?” 僕はおばあちゃんに、
咄嗟にごめんなさいと言った。
それでも彼女はつづけた。
洗剤をたくさん使って、
これなの?ありえなくない?
目ついてるの?
だから、そんなにつける必要ないんだって。わかった?
そうですか、それはどうもすみませんでした。
しかしこの行為で、あたかもいつも丁寧に洗ってないと、
言われるのはおかしいと思い僕は、その当時なけなしの
法律の知識を使って、スライムと戦った。
今あなたがしていることは、刑法203条の名誉棄損ですよ?
分かってます?と如何にも、指摘したような
口調で抗戦した。僕は、弁護士もののドラマが好きから、少しだけ法律を勉強していた。向こうは、じりじりと僕に愚痴を言って攻撃してくる。
僕も言わせてもらいますけど、
あなたの方が丁寧に洗えてない確率多いですよ。
僕は、裁判よろしく様々な証拠を、相手に出して抗戦した。
食器洗剤に書いてある文言を使ったり、
その場に親が居たから加担してもらったり、
いろんな手を使って、相手を言い負かせてた。
いそれはそれは退屈な水遊びだった。
当時の僕は、相手を言い負かすことが、
何かしらのアイデンティティだったのかな。
もう水遊びはこりごり。